実家を相続したものの、ゴミ屋敷状態でとても住める状況ではない、というケースは珍しくありません。
しかし「何から手をつけたらよいかわからない」と放置すると、資産価値の低下や近隣からの苦情など、さまざまなリスクを招くおそれがあります。
ゴミ屋敷は、ゴミを残したままでも売却できます。
手をかければ高く、手をかけなければ手軽にと、状況に応じて複数の売り方を選べるのが特徴です。
大切なのは、自分の状況に合った方法を見極めることです。
この記事では、ゴミ屋敷を放置するリスクから、5つの売却パターン、売却に必要な費用、手順、かかる税金までを解説します。
ゴミ屋敷の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- ゴミ屋敷を放置することで生じる5つのリスク
- ゴミ屋敷を売却する5つのパターンと向いている人
- 売却できる状態にするための費用の目安
- 相談から引き渡しまでの売却の流れ
- 売却時にかかる税金の種類
ゴミ屋敷を売却せず所有し続けるリスク
ゴミ屋敷となった家を片付け、売却の準備を進めるには、膨大な手間と時間がかかります。
そのため「何とかしなければ」と思いながらも「面倒だ」と感じ、放置してしまうケースもあるでしょう。
しかし、ゴミ屋敷をそのままにすると、以下のリスクが高まります。
・資産価値の低下:建物の劣化や悪臭の染みつきが進み、売却時の価値がさらに下がる
・治安の悪化:放火や不法投棄の標的になりやすく、犯罪を誘発するおそれがある
・近隣とのトラブル:悪臭や害虫の発生が周囲に及び、苦情や対立に発展しやすい
・行政代執行の可能性:自治体の指導に従わない場合、強制的に撤去され、その費用を請求される
・特定空き家への指定:倒壊の危険などがあると指定され、固定資産税の優遇が外れて税負担が増える
これらは経済的な負担だけでなく、所有者にとって精神的にも大きなストレスとなります。
ゴミ屋敷は放置せず、早期に適切な対応を取ることが重要です。
ゴミ屋敷を売却する5つのパターン
ゴミ屋敷を売却する方法は、主に5つあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、自身の状況に合った方法を選びましょう。
ゴミが残っている状態で売却する
ゴミをそのままにして専門業者に売却する方法です。
もっとも手間がかかりません。
自力で大量のゴミを処分するには時間や費用がかかるため、遠方に住んでいる方や急いで売却したい方に向いています。
ただし、ゴミ処理費用が差し引かれるため、市場価格より大幅に安くなる可能性がある点には注意が必要です。
ゴミを自分で処分してから売却する
事前に自分でゴミを処分してから売却する方法です。
ゴミ処理費用が差し引かれないため、手取り額を増やしやすいのがメリットです。
ただし、ゴミの量が多い場合は、大きな時間と労力がかかります。
費用を抑えつつ、片付けの手間を惜しまない方に向いています。
自力での片付けが難しい場合は専門業者に依頼できますが、その際は清掃費用が発生する点を考慮しましょう。
リフォームしてから売却する
ゴミを処分した後、リフォームを行ってから売却する方法です。
リフォームにより物件の印象が向上し、買い手が見つかりやすくなります。
費用をかけてでも、できるだけ高く売りたい方に向いています。
ただし、リフォームには高額な費用がかかる点に注意が必要です。
更地にしてから売却する
ゴミ屋敷を解体し、更地にしてから売却する方法です。
更地にすると土地の利用可能性が広がり、購入希望者が見つかりやすくなります。
建物の老朽化が激しく、活用が難しい物件に向いています。
ただし、解体には高額な費用がかかります。
さらに、更地にすると住宅用地に適用されていた固定資産税の軽減措置がなくなり、税額が最大で約6倍に上がる可能性があります。
買い手がすぐに見つからない場合は、その間の税負担が重くなる点に注意が必要です。
古家付き土地として売却する
古家を残したまま土地として売却する方法です。
更地にする必要がないため、固定資産税の軽減措置を維持できます。
手間を最小限に抑えて早期に売却したい方に向いています。
ただし、解体費用や整地の手間を買い手が負担するため、売却価格は相場より下がる傾向があります。
高値での売却は難しいものの、手軽さを優先したい場合に有効な選択肢です。
ゴミ屋敷を売却できる状態にするための費用
ゴミ屋敷を売却する方法によって、必要となる費用は異なります。
ここでは、売却できる状態にするための費用の内訳と目安を解説します。
ゴミ処分の費用
ゴミの量や種類が多く、自力で処理するのが難しい場合は、専門業者に依頼する必要があります。
自治体やメーカーに粗大ゴミ・リサイクル家電の処理を依頼する場合の費用の目安は、以下のとおりです。
【粗大ゴミ(自治体)の費用目安】
・ベッド(マットを除く):約1,200〜2,000円
・ソファー:約800〜2,000円
・箱物家具(タンスや棚類):約300〜2,800円
・テーブル(机・デスクは別品目扱い):約800〜1,200円
・カーペット:約300〜1,200円
【リサイクル家電(メーカー)の費用目安】
・約3,500〜7,500円(収集運搬費用込み)
これらは参考価格であり、実際の費用は自治体やメーカーによって異なります。
処分を依頼する際は、各自治体の公式サイトを確認するか、直接問い合わせて、正確な料金や手続き方法を確認しておきましょう。
ハウスクリーニングの費用
ゴミを処分した後も、室内が不衛生な状態で残ることがあります。
その場合は、ハウスクリーニングで室内を清潔に整える必要があります。
費用は、汚れの程度・家の広さ・作業環境(機材の搬入しやすさ)の3つの要素で決まります。
間取り別の相場は、以下のとおりです。
・1R・1K:約15,000〜25,000円
・1DK・2K:約28,000〜32,000円
・1LDK・2DK:約40,000〜45,000円
・2LDK・3DK:約50,000〜53,000円
・3LDK・4DK:約60,000〜65,000円
・4LDK・5DK以上:約65,000円〜
とくにゴミ屋敷の場合は、標準的な清掃以上の手間と時間がかかるため、費用が高くなる傾向があります。
複数の業者に見積もりを依頼し、内容を確認したうえで依頼することをおすすめします。
リフォームの費用
ハウスクリーニングだけでは対応しきれない老朽化がある場合は、リフォームが必要になることもあります。
費用は施工箇所によって異なり、以下が一般的な目安です。
・屋根・外壁:約80〜150万円
・壁紙:約4〜15万円
・床(6畳):約7〜30万円
・キッチン:約20〜150万円
・浴室:約3〜250万円
・トイレ:約3〜100万円
予算を把握するためにも、事前に複数の業者から見積もりを取り、条件に合うか確認しておきましょう。
建物解体の費用
リフォームでは改善できない場合は、建物を解体して更地にする選択肢もあります。
解体費用の目安は、以下のとおりです。
・木造:1坪あたり約3〜5万円
・鉄骨造:1坪あたり約5〜7万円
・鉄筋・コンクリート造:1坪あたり約6〜8万円
解体費用は建物の構造によって異なります。
構造以外にも、立地条件や建物の老朽化、残された荷物の量などによっても変動します。
ゴミ屋敷を売却する流れ
ここでは、ゴミ屋敷を売却する際の基本的な流れを、ステップごとに解説します。
ステップ1:不動産買取業者や仲介業者に相談する
まずは、不動産買取業者や不動産仲介業者に相談しましょう。
自己判断でリフォームや解体を進めると、かえって費用がかさみ、売却が難しくなるおそれがあります。
経験豊富な専門家の意見を聞きながら、売却の方針を決めましょう。
ステップ2:必要に応じてゴミの処分・清掃・リフォーム・解体を行う
売却方針が決まったら、必要に応じてゴミを処分し、その後、清掃やリフォーム、または建物の解体を進めます。
ゴミを自力で処理できれば費用を抑えられますが、量が多く手に負えない場合は専門業者へ依頼しましょう。
処分後に汚れが残っている場合は清掃やリフォームで対応し、それでも改善が難しい場合は解体を検討します。
ステップ3:複数社に査定を依頼する
適正な価格で売却したい場合は、複数の不動産業者に査定を依頼しましょう。
依頼先は、ゴミ屋敷や事故物件などの「訳あり物件」の取り扱い実績が豊富な業者、または専門に扱う買取業者を選ぶと安心です。
ステップ4:条件がまとまったら売買契約を結ぶ
売却条件に合意できたら、売買契約を締結します。
一般的な仲介で売却する場合、物件の瑕疵(欠陥や問題点)をすべて買主に説明する義務があります。
瑕疵の説明を怠ると、契約不適合責任を問われる可能性があります。
このリスクを避けたい場合は、契約不適合責任が免除される買取業者への売却を検討するのもひとつの方法です。
ステップ5:引き渡しと決済をする
売買契約の成立後、物件の引き渡しと代金の決済を行います。
決済が完了すると所有権が移転し、鍵を渡すことで引き渡しも終了します。
引き渡しは、契約書で定めた条件にしたがって進めることが大切です。
ゴミ屋敷を売却するときにかかる税金
ここでは、ゴミ屋敷を売却する際にかかる主な税金について解説します。
登記費用
登記費用とは、所有者を変更する際にかかる費用です。
登記手続きは専門的な知識が求められるため、通常は司法書士に依頼します。
司法書士への報酬として支払う登記費用は、登記の内容や不動産の状況によって異なりますが、1〜5万円程度が相場です。
印紙税
印紙税は、契約書や領収書などの文書を作成する際に課される税金です。
金額は物件価格によって異なりますが、1,000〜10,000円程度です。
具体的な金額は、国税庁の公式サイトに掲載されている「印紙税額の一覧表」を参照することをおすすめします。
出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産の売却で得た利益に対して課される税金です。
課税対象となる金額は、以下の計算式で求められます。
譲渡所得=売却金額 −(取得費 + 譲渡費用)
税率は、所有期間に応じて以下のように異なります。
・5年以下の短期所有:39.63%
・5年を超える長期所有:20.315%
なお、譲渡所得税にはさまざまな特例があり、条件を満たせば大幅な減税が可能です。
まとめ
ゴミ屋敷を放置すると、治安の悪化や資産価値の低下など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
売却の方法は5つあり、それぞれ費用や手続き、税金の負担が異なります。
手をかけて高く売るか、手をかけずに早く売るか、自分の状況に合った方法を選ぶことが「賢い売却」につながります。
費用や手間をかけずに、早く確実に手放したい場合は、ゴミを残したまま買い取ってもらう方法が現実的な選択肢です。
買取なら契約不適合責任も免除されるため、売却後のトラブルを心配する必要もありません。
INTERIQでは、ゴミ屋敷はもちろん、老朽化した物件や欠陥住宅などの買取を専門に行っています。
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