事故物件やゴミ屋敷、老朽化した建物など、訳あり物件の売却は一般的な不動産売却と異なるハードルがあります。
「どの方法が自分に合っているのか」「買い叩かれないか」と不安を抱える方は多いでしょう。
本記事では、訳あり物件を売却する2つの方法(仲介・買取)の違いと選び方、信頼できる業者の見極め方、売却時のコツを具体的に解説します。
- 訳あり物件の定義
- 仲介と買取、2つの売却方法の違い
- 買取業者に依頼するメリット
- 信頼できる業者の見極め方
- 訳あり物件を少しでも高く・スムーズに売却するコツ
訳あり物件とは?
訳あり物件とは、居住や利用において何らかの課題を抱えている不動産のことです。
しかし「訳あり物件」という言葉に明確な定義はなく、どんな物件がそれに該当するかは人によって異なります。
瑕疵に該当する訳あり物件
一般的に、訳あり物件は「瑕疵」がある物件を指します。
「瑕疵」とは欠陥や傷、建物が本来備えるべき基準を満たしていないことです。
訳あり物件は、抱えている問題の種類によって、主に以下の4種類があります。
- 心理的瑕疵物件:居住者に嫌悪感などを与えて心理的に支障がでる可能性のある物件のこと
- 法的瑕疵物件:建築基準法、消防法、都市計画法などの法律の基準を満たしていない物件のこと
- 環境的瑕疵物件:周囲の環境要因によって不快感を持つ可能性のある物件のこと
- 物理的瑕疵物件:物理的な不具合や欠陥のある物件のこと
訳あり物件を売却する際は、これらの問題を適切に開示することが重要です。
INTERIQと株式会社NEXERが実施した全国1000名を対象とした「事故物件について知っていること」に関するアンケート調査では、質問5として「心理的瑕疵」や「物理的瑕疵」について知っているかを尋ねたところ、73.3%の方が「知らない」と回答しました。
また、質問6で「心理的瑕疵」や「物理的瑕疵」について知っていることを教えてもらったところ、心理的瑕疵については「自殺や他殺等が起こった場合」「霊的なもの」、物理的瑕疵については「カビが生えていたり物件の物理的な問題がある場合」「建物自体に原因がある場合」といった回答が寄せられ、専門用語への理解度に個人差があることが明らかになりました。

瑕疵に該当しない訳あり物件
訳あり物件には明確な定義がなく、瑕疵がなくても該当する場合があります。
相続したが不要な家、長期間の空き家、投資用マンションの空室や家賃滞納物件、住み替えを希望する高齢者の家など、売主の事情により現金化を急ぐ物件も訳あり物件に該当する場合があります。
つまり、建物自体に問題がなくても、売却理由や状況によって訳あり物件として扱われることが一般的です。
訳あり物件の売却方法 仲介と買取の違い
訳あり物件の売却には大きく分けて2つの方法があります。
物件の状況や売却の緊急度に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
不動産仲介業者を通じて売却する
不動産仲介業者を通じた売却は、市場価格に近い金額での売却を目指す方法です。
仲介業者は売主と買主の間に立ち、広告活動や内覧対応、価格交渉などを代行して購入希望者を探します。
訳あり物件であっても、適切な価格設定と詳細な物件説明により購入希望者を見つけることは可能です。
とくに立地条件がよい場合や、投資家がリノベーション前提で購入を検討するケースもあります。
ただし、一般の個人買主は訳あり物件を敬遠する傾向があるため、売却まで数か月から1年以上かかる場合があります。
また、仲介手数料(売却価格の3%+6万円+消費税)が発生し、売主が契約不適合責任を負うリスクもあります。
出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
訳あり物件専門の買取業者に売却する
訳あり物件専門の買取業者への売却は、業者が直接物件を購入する方法です。
最大のメリットは売却スピードの速さで、査定から契約まで最短数日から1か月程度で現金化が可能です。
訳あり物件専門の買取業者は、物件の瑕疵やリスクを承知した上で独自のノウハウと販路を活用して再販するため、一般業者では断られる物件でも積極的に買い取ります。
売主の契約不適合責任が免除されるため、売却後のトラブルリスクが軽減され、仲介手数料も不要です。
現状有姿での売却が可能なため、特殊清掃や修繕費用をかける必要もありません。
ただし、買取価格は市場価格の50〜80%程度になることが一般的です。
これは買取業者がリフォーム費用や再販リスクを考慮して価格を設定するためです。
訳あり物件の売却では、複数の専門買取業者に査定を依頼し、売却の緊急度と希望価格を総合的に判断して最適な方法を選択することが重要です。
訳あり物件を業者に売却するメリット
訳あり物件の売却は、一般的な物件の売却よりも難易度が高いです。
しかし、専門知識を持った不動産業者に依頼することで、さまざまなメリットが生まれます。
そのままの状態で売却できる
訳あり物件は、通常の物件とは異なり、さまざまな問題を抱えています。
とくに事故物件の場合、特殊清掃や遺品整理、供養といった専門的な対応が必要です。
一般的な売却では、売主がこれらの処理をすべて行わなければなりませんが、訳あり物件に精通した不動産業者に依頼すれば、物件をそのままの状態で買取りしてもらえます。
たとえば、長期間放置された室内に家具や日用品が残っていたり、特殊清掃が必要だったりする場合でも、現状のままで売却が可能です。
業者は必要な処理をすべて自社で行うか、専門業者と連携して対応します。
スピーディーに売却できる
不動産仲介では、購入希望者の内覧対応や価格交渉など、さまざまな手続きが必要となります。
また、訳あり物件は購入を敬遠されがちなため、売却自体が難しいケースも少なくありません。
しかし、買取業者に依頼すれば、スピーディーな売却が可能です。
最短1週間程度で売却を完了することもあります。
これは、買取業者との直接取引となるため、販売活動や購入希望者の内覧案内といった手間が一切不要なためです。
売却の流れは、査定依頼から買取価格の提示、売買契約の締結、そして物件の引き渡しまで、とてもシンプルに進められます。
近隣の住人に知られず売却できる
一般的な不動産仲介では、購入希望者に物件を知ってもらうために、不動産情報サイトへの掲載や現地での案内板設置などの販促活動が行われます。
しかし、事故物件の場合、売却のことを周囲に知られたくない方も多いでしょう。
買取業者との直接取引であれば、物件を市場に出すことなく、極秘で売却を進められます。
知人や親族に知られることなく、安心して売却を完了できます。
売却後のトラブルの心配がなくなる
訳あり物件の売却では、売却後のトラブル発生が大きな不安要素です。
建物の老朽化や雨漏り、土地の形状の問題、さらには事故や事件といった履歴など、物件の瑕疵は売主に告知義務があります。
しかし、これらの事実を購入者に正しく伝えていたとしても、後になってトラブルに発展するケースは少なくありません。
買取業者に売却する場合、このような心配は大幅に軽減されます。
買取業者は不動産取引のプロであり、物件の瑕疵について十分に理解した上で購入を決定します。
そのため、売却後に「聞いていない」「知らなかった」といったクレームを受ける心配がありません。
売却価格の低下を防げる
訳あり物件を一般の不動産会社に依頼すると、買取価格が極端に安くなることがあります。
また、場合によっては「買取りできない」と断られることもあります。
これは、訳あり物件の取り扱いに不慣れで、物件をどのように活用すべきか見いだせないためです。
一方で、訳あり物件を専門とする不動産会社に依頼することで、状況は大きく変わります。
専門会社は訳あり物件に特化した豊富な経験と知識を持ち、物件の価値を適切に見極めることができます。
売却経費の負担を減らせる
訳あり物件の売却には、通常の不動産売却よりも多くの経費がかかることが一般的です。
しかし、買取専門業者に依頼すれば、これらの費用負担を大幅に抑えられます。
特殊清掃費用
事故物件の売却で最も大きな負担となるのが「特殊清掃費用」です。
自殺や他殺が発生した物件、また遺体の発見が遅れた物件などでは、専門業者による特殊清掃が必要です。
特殊清掃費用は、物件の状態や間取りによって異なり、数万円から数十万円かかります。
訳あり物件を専門に取り扱う買取業者に依頼すれば、特殊清掃費用を含めた金額で物件を買い取ってくれます。
どんなに物件の状態が悪くても、売主は清掃費用を負担する必要がなく、精神的・金銭的な負担を大幅に軽減できます。
遺品整理費用
相続物件の売却では、残された家具や遺品の処理の費用「遺品整理費用」が必要です。
専門の遺品整理業者に依頼すると、一般的に数万円から十数万円の費用が必要となります。
買取業者に依頼すれば、家財道具や遺品が残ったままの状態でも買い取ってくれます。
「相続した物件に手をつけられなかった」「遺品整理に踏み切れない」といった状況でも、スムーズに売却できます。
解体・リフォーム費用
老朽化した建物を売却する際、解体やリフォーム費用が大きな負担となります。
一般的な戸建住宅の解体には約200万円、大規模なリフォームとなると1,000万円前後の費用が必要です。
買取専門業者に売却する場合、これらの費用を一切負担せずに済みます。
建物が老朽化していても、現状のままで買取ってもらえ、解体やリフォーム作業は業者が担当します。
訳あり物件を売却する業者の選び方
訳あり物件の売却を成功させるためには、信頼できる不動産業者選びが重要です。
査定の説明を詳細にしてくれるか
訳あり物件の査定額は、一般的な物件と比べて大幅に低くなるのが通常です。
しかし、その金額に明確な根拠がなければ、適切な査定とは言えません。
信頼できる業者は、査定額を算出する際の根拠を丁寧に説明してくれます。
「このエリアは売れにくい」といった抽象的な説明ではなく、具体的な周辺取引事例や物件の状態を踏まえた詳細な説明が提供されます。
適切に判断するためには、少なくとも3社以上の業者に査定を依頼し、それぞれの説明を比較して検討することをおすすめします。
訳あり物件の売却実績はあるか
訳あり物件の適切な査定には、豊富な取引実績が不可欠です。
訳あり物件の場合は、その物件が抱える問題や市場価値が異なり、状況によって価格が大きく変動します。
そのため、取引実績が少ない業者では、適切な査定が難しくなります。
業者を選ぶ際は、会社のホームページや資料を確認し、過去にどのような訳あり物件を扱った実績があるかを確認しましょう。
担当者との打ち合わせ時に、自身の物件と似たケースの実績があるかを確認することもおすすめです。
地域物件に詳しいか
地域に精通した業者は、その土地の歴史や発展の経緯、住民の特徴、さらには将来の開発計画まで熟知しています。
再開発計画が進行中の地域や、住民の年齢層の変化といった情報は、物件の価値や査定額に大きな影響を与えます。
地域に詳しい業者であれば、訳あり物件でも、その地域ならではの潜在的な価値を見出し、適切な査定を提供してくれるでしょう。
士業と連携しているか
訳あり物件の売却では、予期しない法的問題や税務上の課題が発生します。
とくに相続物件や事故物件では、専門家のアドバイスが不可欠です。
そのため、弁護士や税理士などの士業と連携している不動産業者を選びましょう。
相続に関する税務処理や近隣とのトラブル解決、所有権に関する法的な問題など、不動産だけの知識では解決が難しい事案があります。
士業と連携している業者であれば、こうした問題に迅速かつ的確に対応できます。
過去に行政処分歴がないか
訳あり物件の売却では、業者の信頼性が非常に重要です。
一部の業者は相場よりも極端に安い買取価格を提示したり、実際には買取りではなく仲介取引を行ったりするケースが存在します。
不動産業者は宅地建物取引業法に基づいて営業しており、法令違反があった場合は行政処分を受けることになります。
処分歴は国土交通省のウェブサイトで公開されているため、誰でも簡単に確認できます。
訳あり物件は一般の取引以上に慎重な対応が必要なため、処分歴のある業者との取引は避けましょう。
訳あり物件を売却する際のコツ
訳あり物件を売却するには、一般の不動産以上に慎重な対応と適切な判断が求められます。
ここでは、スムーズな売却を実現するための具体的なコツを紹介します。
訳ありであることを伝える
訳あり物件の売却で最も重要なのは、物件の状態や履歴を正直に伝えることです。
老朽化や設備の不具合、事故や事件の履歴など、物件の瑕疵は必ず業者に説明しましょう。
物件の瑕疵を告知せずに売却し、後から問題が発覚した場合、売主は瑕疵担保責任を負うことになります。
買主から契約解除や損害賠償を請求されるリスクもあるため、些細なことでも隠さずに伝えることが非常に重要です。
高く売却することにこだわりすぎないようにする
訳あり物件、とくに事故物件の売却では、価格に対する考え方を柔軟にすることが重要です。
心理的瑕疵がある物件は、居住者に精神的な不快感を与える可能性が高く、市場価値が低下することは避けられません。
物件を所有し続けると、固定資産税や管理費などの経費が継続的に発生し、さらに建物の劣化が進むこともあります。
ある程度の損失は覚悟しつつ、適切なタイミングで売却を決断することが大切です。
段階的に価格を下げていく
最初に大幅に価格を下げてしまうと、物件の潜在的な価値を失うリスクがあります。
そのため、段階的な価格調整がおすすめです。
最初は市場の反応を見ながらやや高めの価格設定をし、問い合わせや内見の状況に応じて徐々に価格を下げます。
しばらく時間を空ける
事故や事件が発生した直後は、その出来事が地域の記憶に鮮明に残り、購入を検討する人が極めて少なくなるため、売却が難しくなります。
一定期間を置くことで、地域の心理的な抵抗感が和らぎ、より多くの購入希望者が現れる可能性があります。
複数の業者に査定を依頼する
訳あり物件の売却では、できるだけ多くの業者に査定を依頼することをおすすめします。
一社だけの査定では、その金額が適正かどうか判断するのが難しいためです。
また、競合する業者がいることで、よりよい条件を引き出せる可能性も高まります。
複数の業者から査定を受けることで、不当に安い金額での買取りを防ぎ、最も条件のよい業者を選べるでしょう。
訳あり物件に関するQ&A
訳あり物件の売却に関して、多くの方が不安や疑問を抱えています。
ここでは、よくある質問と回答を紹介します。
雨漏りした家を高く売却するには?
雨漏りがある家を高く売却するためには、状況に応じて適切な方法を選択することが大切です。
以下の3つの選択肢があります。
ひとつ目は、リノベーションをしてから売却する方法です。
雨漏りの原因となっている箇所を完全に修繕し、あわせて内装も一新することで物件の価値を高められます。
2つ目は、更地にして売却する方法です。
築年数が古く、補修費用が高額になる場合は、建物を解体して土地だけを売却するとよいでしょう。
新築用の土地を探している購入者層にアプローチできるため、立地がよければ好条件で売却できます。
3つ目は、買取業者への売却です。
現状のままでも買い取ってもらえるため、修繕費用や解体費用を抑えられます。
とくに早期売却を希望する場合は、訳あり物件専門の買取業者への相談をおすすめします。
古い家を売るには?
古い家の売却方法は、物件の状態や立地、予算に応じていくつかの選択肢があります。
まず検討したいのが、現状のままでの売却です。修繕やリフォームの費用をかけずに売却できます。
建物を取り壊して更地にする方法は、新築希望者をターゲットにできる利点があります。
費用を抑えながら価値を高めたい場合は、キッチンやお風呂場など、目につきやすい部分だけを部分リフォームする方法もあります。
また、売却後のトラブルを防ぐため、瑕疵担保保険をかけてから売り出すこともおすすめです。
地方の物件なら、自治体が運営する空き家バンクへの登録も検討しましょう。
早期売却を希望する場合は、訳あり物件専門の買取業者に相談することで、古家付きのままでも現状渡しで売却が可能です。
まとめ
訳あり物件の売却では、物件の状態や売主の希望に合わせて、不動産仲介業者への依頼や買取業者への直接売却といった選択肢を検討することが重要です。売却前には、物件の瑕疵を正確に伝えることや、適切な価格設定を行う準備も欠かせません。
とくに重要なのは、信頼できる不動産業者選びです。実績や専門知識はもちろん、地域特性を理解し、適切なサポート体制を持つ業者を選ぶことで、スムーズに売却できるでしょう。
訳あり物件の売却なら、ぜひINTERIQにお任せください。事故物件やゴミ屋敷、老朽化した物件などの物件でも買取りいたします。一度、買取りを断られた物件でも可能です。
長年の経験と実績を活かし、お客様の状況に応じた最適なプランをご提案いたします。お見積り・ご相談は無料で行っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。



