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古い家を売る方法は?売却の手順・注意点や税制優遇措置も解説

古い家を売る方法は?売却の手順・注意点や税制優遇措置も解説

古い家の売却を検討しているが、どんな方法を選べばいいのか、手続きはどう進めるのかわからない方は多いでしょう。

築年数が経過した家は通常の物件より考慮すべき点が多く、選ぶ方法によって売却結果が変わります。

この記事では、古い家の売却方法・手順・価格の決め方・注意点・税制優遇措置まで、売主が知っておくべきことをまとめて解説します。

目次

古い家の基準は?

古い家は不動産取引では主に「法定耐用年数」と「耐震基準」の2つが判断の目安として使われます。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、税法上で建物が経済的に利用可能とされる期間のことです。

住宅用の木造建築物では22年、RC造(鉄筋コンクリート造)では47年と定められています。

この年数を超えると税法上の資産価値はほぼ無いと見なされますが、あくまで税務上の計算です。

適切なメンテナンスが行われていれば、耐用年数を超えた建物でも使用の継続は可能です。

ただし売却時には建物の価値がほとんど評価されず、土地の価値が売却価格の大部分を占めることが一般的です。

耐震基準

日本では1981年に耐震基準が改正されました。

1981年6月以前に建築確認を受けた建物には「旧耐震基準」が適用されており、震度5強程度の地震への耐性が前提とされています。

一方、1981年6月以降に建築確認を受けた建物には「新耐震基準」が適用され、震度6強〜7程度でも倒壊しない構造が求められています。

旧耐震基準の建物は売却時の評価が低くなりやすく、買主にとって地震保険の加入条件が不利になるケースもあります。

耐震改修工事を実施済みの場合は、その内容と履歴を積極的にアピールすることで評価の向上につながります。


古い家を放置するリスク

売却を迷って放置を続けると、税金・安全性・近隣関係など複数の問題が同時進行します。

固定資産税が最大6倍になる可能性がある

住宅用地には固定資産税の軽減措置が適用されており、固定資産税を1/6、都市計画税を1/3に抑える仕組みがあります。

しかし「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、倒壊の危険・衛生上の問題・景観への著しい悪影響などが認められた空き家は「特定空き家」に認定されます。

特定空き家に認定されると軽減措置が解除され、固定資産税が最大で6倍になる可能性があります。

老朽化による倒壊リスク

時間とともに屋根・外壁・基礎・柱・梁など建物の重要な部位が劣化し続けます。

旧耐震基準の建物は現行基準を満たしていない場合が多く、地震や台風による倒壊リスクが高まります。

倒壊や部材の飛散が発生した場合、近隣住民や通行人への損害賠償責任が生じる可能性もあります。

近隣への悪影響

放置された空き家には不法侵入者が入り込んだり、害虫・野生動物が住み着いたりするケースがあります。

カビ・悪臭の発生、外壁部材の飛散なども近隣住民に被害をもたらし、損害賠償を請求される事態に発展することもあります。

問題が地域全体に広がる前に、早期に適切な対処をすることが重要です。

古い家を売る8つの方法

古い家の売却方法は、家の状態・目的・費用のバランスによって最適な選択肢が変わります。

1.そのまま売却する

修繕やリフォームをせずにそのまま売りに出す方法です。

費用も時間もかけずに売却活動を始められる点がメリットで、準備の手間が最小限で済みます。

人気エリアに位置する場合や比較的状態の良い家なら買主が見つかりやすいですが、築年数が経過した家は市場での需要が低く、相場より低い価格設定が一般的です。

状態が悪い場合は価格交渉に時間がかかることも見込んでおきましょう。

2.家を解体して更地で売る

建物を解体し更地の状態で売却する方法です。

土地の価値だけで評価されるため、老朽化が進んだ建物による評価の低下を回避できます。

住宅用地としてだけでなく、駐車場やマンション用地として事業者への売却も見込めるため、買主の幅が広がります。

解体費用は建物の構造・規模・立地によって異なり、木造住宅では1坪あたり3万〜5万円が目安です。

30坪の木造住宅であれば90万〜150万円程度の費用が必要です。

また更地にすると住宅用地の固定資産税軽減措置が解除され税負担が増える点も考慮してください。

解体するかどうかは、更地評価と解体費用のバランスを不動産会社に確認した上で判断することをおすすめします。

3.古家付き土地として売る

建物を解体せず「古家付き土地」として売却する方法です。

解体費用を負担せずに売却活動を進められる点が最大のメリットです。

買主は用途に応じた活用方法を自分で選べるため、購入希望者の範囲が広がります。

ただし建物の状態が悪い場合は土地全体の評価額が下がる可能性もあるため、建物の状態を説明し、買主との信頼関係を築くことが重要です。

4.一部をリフォームして売る

水回りの改修・壁紙の交換・床の張り替えなど小規模な工事で見栄えや機能性を高めてから売却する方法です。

内外装が整備された物件は「すぐに住める」という印象を与えやすく、買主の意思決定を促す効果があります。

ただしリフォーム費用が売却価格に十分反映されないケースもあるため、費用対効果を試算してから実施を判断しましょう。

5.瑕疵担保保険を付けて売る

売却前にホームインスペクション(住宅診断)を受け、瑕疵担保保険を付けて売却する方法です。

保険が付いた物件は、買主が購入後に欠陥を発見した場合でも保険による補償を受けられるため、購入への心理的ハードルが下がります。

保険加入には検査費用と保険料がかかり、補償対象外となる瑕疵もあるため、適用範囲を確認しておく必要があります。

6.空き家バンクに登録する

自治体が運営する空き家バンクに登録し、購入希望者とマッチングする方法です。

登録料が無料または低額で、自治体が関与しているため信頼性が高いのが特徴です。

地域で新たな住まいを探している購入希望者と直接つながれる機会が得られます。

ただし買主が見つかるまでに時間がかかるケースが多く、市場価格より低い価格での成約になることもあります。

利用条件や対象物件の基準は自治体ごとに異なるため事前確認が必要です。

7.隣人に売る

隣接地を所有する隣人に売却を打診する方法です。

隣人にとっては敷地を広げたり土地活用の自由度を高めたりできるメリットがあるため、話がまとまりやすいケースがあります。

直接交渉となるため仲介手数料がかからない点も売主にとってメリットです。

ただし交渉が不成立の場合は他の買主を探す必要が生じ、近隣関係が悪化するリスクもあるため慎重な対応が求められます。

8.不動産会社に直接買い取ってもらう

専門の不動産買取業者に直接売却する方法です。

早期に現金化できる点が最大のメリットで、訳あり物件や市場で売りづらい条件の物件にも対応している業者が多いです。

仲介と比べると売却価格は下がる傾向がありますが、買主を探す手間なく確実かつ迅速に売却を完了できます。

急いで手放したい場合や、なかなか買主が見つからない場合に特に有効です。

古い家を売る手順

ステップ1:査定を依頼する

複数の不動産会社の無料査定サービスを活用し、市場価格を把握します。

古い家は建物の価値が低く見積もられることが多く、土地の評価が売却価格の大部分を占めます。

建物だけでなく土地の特性・立地条件を含めた総合的な査定を依頼し、複数社の査定結果を比較することで適正価格の把握につながります。

ステップ2:媒介契約を締結する

査定結果に納得できたら不動産会社と媒介契約を結びます。

契約形態は主に3種類あります。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は1社のみに依頼する形式で、不動産会社が週1回以上の進捗報告を義務付けられています。

売却の進展を正確に把握しやすい点が特徴です。

専任媒介契約

専任媒介契約も1社に依頼する形式ですが、売主が自ら買主を見つけることも認められています。

一般媒介契約

一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼できますが、各社の売却活動が散漫になりやすいデメリットがあります。

古い家の売却では、専門的なサポートを集中的に受けられる専属専任媒介契約か専任媒介契約が向いています。

ステップ3:売却活動を開始する

不動産ポータルサイトへの掲載・地域への広告・既存顧客ネットワークの活用など、不動産会社がさまざまな手法で買主へのアプローチを始めます。

定期的に進捗報告を受け、売却が計画通りに進んでいるかを確認しましょう。

状況に応じて価格や売却条件の見直しも検討します。

ステップ4:売買契約を締結する

買主が見つかったら売買契約を結びます。

売却価格・支払い条件・引き渡し時期など契約内容を十分に確認し、不明点は不動産会社や法律の専門家に相談してから署名します。

建物の状態に関する正確な情報提供は、契約後のトラブル回避のために不可欠です。

隠れた問題が後から発覚すると、契約破棄や損害賠償が発生する可能性があります。

ステップ5:家の引き渡しを行う

不要な家具や家電を撤去し、家を清潔な状態に整えます。

所有権移転登記(多くの場合は司法書士に委託)を進め、引き渡し前に売主と買主が建物の状態を共同で確認します。

契約に反する点があればこの段階で対処することで、後のトラブルを防げます。

ステップ6:確定申告を行う

売却の翌年に確定申告が必要です。

譲渡所得税は売却価格から取得費・譲渡費用を差し引いた額をもとに計算されます。取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として使用できます。

税制優遇措置については後述しますが、不明点がある場合は税理士に相談することをおすすめします。

売却価格を決めるポイント

古い家の価格は通常の物件とは異なる要素で左右されます。

建物の評価は無価値になる場合がある

法定耐用年数を超えた建物は、税法上の資産価値がほぼ無くなり、売却価格は実質的に土地の評価に依存します。

ただし耐震改修工事や省エネリフォームを施した建物は、築年数が古くても市場価値が高まるケースがあります。

過去の補修・改修の内容と履歴は積極的に買主へ伝えましょう。

更地評価と古家付きでの評価を比較する

更地の方が高値で取引されることがありますが、古家付きのまま売る方が買主を見つけやすいといったメリットがあります。

不動産会社に両方の査定を依頼し、解体費用を差し引いた上でどちらが有利かを判断することが重要です。

立地と土地の特性が価格の主役になる

古い家では建物よりも土地の条件が価格を大きく左右します。

最寄り駅からの距離・日照条件(南向きかどうか)・整形地かどうか・境界の明確さが評価の中心です。

隣接地との境界が不明確な場合は売却前に測量を済ませておくことで、取引のスムーズな進行につながります。

古い家を売るときの注意点

家の状態を正直に伝える

雨漏り・シロアリ被害・構造上の欠陥など、建物に問題がある場合は売主に告知義務があります。

告知義務を怠ると「契約不適合責任」を問われ、補修費用の請求・売却代金の返還・損害賠償請求などに応じなければならない可能性があります。

過去の耐震補強やリフォームの履歴も含め、建物に関する情報は正確に伝えることが売主自身を守ることにもつながります。

ホームインスペクションを受ける

住宅診断士や建築士などの専門家が中立的な立場で建物の劣化状況・欠陥を診断するホームインスペクションは、古い家の売却に特に有効な手段です。

診断結果をもとに適正価格の設定・修繕箇所の特定・買主への正確な情報提供ができ、契約後のトラブル回避にもつながります。

訳あり物件に強い不動産会社を選ぶ

古い家や訳あり物件の売却実績が豊富な不動産会社は、古い家特有の課題やトラブルへの対処法を熟知しています。

地域の市場動向に詳しい会社を選ぶことも売却の成否に直結します。

迅速な対応が可能な会社であれば、急ぎの売却案件や相続物件にも安心して任せられます。

家財を事前に撤去しておく

内覧の前に不要な家具や荷物を撤去しておくと、家の広さや状態を買主に正確に伝えられ、第一印象を良くする効果があります。

解体や改修を行う場合も、家財がない状態の方が工事がスムーズに進みます。

不用品回収業者やリサイクル業者を活用して早めに片付けておきましょう。

古い家を売る際にかかる主な税金

譲渡所得税

不動産売却で利益(譲渡所得)が発生した場合に課される税金です。

売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が課税対象となります。

保有期間によって税率が異なり、5年以下(短期譲渡所得)の場合は所得税30%・住民税9%・復興特別所得税2.1%、5年超(長期譲渡所得)の場合は所得税15%・住民税5%・復興特別所得税2.1%が適用されます。

長期保有の方が税負担が大幅に軽減されるため、売却タイミングは保有期間も考慮して検討しましょう。

取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として計算できますが、実際の取得費より低く見積もられると譲渡所得が大きくなり税負担が増します。

購入時の契約書・領収書・登記簿謄本などの資料を整理し、できる限り正確な取得費を把握することが重要です。

仲介手数料・登記費用・測量費なども取得費に算入できます。

印紙税

不動産売買契約書に貼付する収入印紙で納付する税金です。

取引金額1,000万円以上5,000万円以下の場合、通常の印紙税額は2万円ですが、令和6年4月1日〜令和9年3月31日に作成された一定の契約書には軽減措置が適用され、1万円になるケースがあります。

契約書作成時に不動産会社に確認しておきましょう。

古い家を売る際に使える税制優遇措置

マイホームを売却する場合:3,000万円の特別控除

居住用財産(マイホーム)を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例です。

現在または過去に居住していた家であること・売却先が親族などの特別な関係者でないことなどが基本条件です。

前回の適用から一定期間を空ける必要もあります。

たとえば売却価格5,000万円・取得費2,000万円・譲渡費用100万円の場合、譲渡所得は2,900万円となり、3,000万円の控除を適用することで譲渡所得税はゼロになります。

ただし土地のみの売却や賃貸物件には適用されません。

マイホームを買い換えた場合:譲渡損失の損益通算・繰越控除

マイホームを売却して損失が発生した場合、損益通算(給与所得・事業所得などの他の所得と相殺)と最大3年間の繰越控除が利用できます。

売却損が大きい場合に税負担を大きく軽減できる制度で、一定の条件を満たす必要があります。

低未利用土地を譲渡した場合:100万円の特別控除

都市計画区域内の低未利用土地を売却した場合、譲渡所得から100万円を控除できます。

売却価格は原則500万円以下(特定区域では800万円以下)が条件で、市区町村から「低未利用土地等確認書」を取得した上で確定申告時に添付する必要があります。

相続した空き家を売却する場合:3,000万円の特別控除

相続や遺贈で取得した空き家を売却する際にも、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があります。

全国的な空き家増加の抑制を目的とした制度で、マンションなど区分所有建物は対象外です。

旧耐震基準の建物の場合は耐震改修が必要になるケースもあるため、改修費用を含めた売却計画を立てておきましょう。

まとめ

古い家の売却には多くの選択肢と注意点があります。

法定耐用年数・耐震基準を把握し、放置リスクを理解し、家の状態と目的に合った売却方法を選ぶことがスムーズな売却につながります。

税制優遇措置を正しく活用することで税負担を抑えることも可能ですが、個別の状況によって適用条件が異なるため、不動産会社や税理士への相談を活用しましょう。

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