住み替えを計画する上で、「家が売れない」という事態は避けたいトラブルの一つです。
売却が進まなければ、新居の資金調達や入居時期にも影響を及ぼしてしまいます。
本記事では、住み替え時の売却活動で陥りがちな落とし穴と、早期売却を実現するためのプロの視点を徹底解説します。
家が売れない時の不安を解消し、納得のいく住み替えを成功させましょう。
- 家が売れない原因について
- 住み替えで注意すること
- 家を早期に売る方法
家が売れない主な原因
家が数ヶ月経っても内覧がまったくない、あるいは内覧はあるのに成約に至らない場合、必ずどこかに売れない理由が潜んでいます。
ここではその原因について見ていきましょう。
価格
売却が停滞する最も直接的な原因は、販売価格が市場相場を上回っていることです。
売り手側には住宅ローンの完済や新居の購入資金の確保といった個別の事情がありますが、買い手側は価格を比較して購入の可否を判断します。
また、多くの買い手は不動産ポータルサイトで価格帯を絞って検索を行うため、相場から数百万円高いだけで検索結果に表示されなくなり、検討の対象から除外されます。
希望を優先し、客観的な査定価格に基づかない設定を維持することは、売却を長期化させる要因となります。
立地条件
立地条件が悪ければ売れにくくなります。
土地の特性と買い手のニーズを照らし合わせ、適切なターゲットに対して情報が届くような広報活動が行われていない場合、買い手を見つけることは困難です。
築年数
建物の築年数は、資産価値だけでなく買い手の資金調達にも影響を及ぼします。
一般的に木造戸建て住宅は、築20年から25年を経過すると税制上の耐用年数に関連して建物評価額が著しく低下します。
さらに築年数が古い物件は金融機関の担保評価が低くなるため、買い手が住宅ローンの借入期間を十分に確保できないといった制約が発生します。
築年数が古い家では建物の状態を証明するインスペクションの実施や、リノベーションを前提とした素材としての販売など、建物の価値を補完する具体的な対策が求められます。
売り出し方に問題がある
物件自体の条件に問題がなくとも、販売活動の質が低いことで成約を逃しているケースが多く見られます。
例えばポータルサイトに掲載されている物件写真の枚数が不足している、あるいは画質が不鮮明であるといった広告の不備などです。
仲介する不動産会社が自社の利益を優先し、他社からの顧客紹介を拒絶する「囲い込み」という行為を行っている場合、本来得られるはずの成約機会が阻害されます。
内覧時における室内の清掃状況や整理整頓、生活臭の有無といった管理状態が不十分であることも、買い手の購入意欲を低下させる要因となります。
家が売れないとどうなる?
売却期間が長引くことでどのような問題があるでしょうか。
価格が下がる
販売開始から一定期間が経過しても成約に至らない物件は、市場において需要がない物件と認識されます。
一般的に3ヶ月を経過すると、買い手や不動産仲介会社は物件の品質や権利関係に何らかの問題があるのではないかと推測し、検討対象から除外する傾向があります。
この状況で成約を目指すには、当初の想定を上回る大幅な価格改定が必要になるほか、買い手からの大幅な値引き交渉を拒否することが難しくなります。
結果として、最終的な受取金額は当初の資金計画を大きく下回るでしょう。
維持・管理費がかかる
不動産は所有している期間に比例して固定コストが発生し続ける資産です。
売却が完了するまでは、固定資産税や都市計画税の納税義務が継続し、日割で負担が増加していきます。
マンションの場合は、空室の状態であっても管理費や修繕積立金の支払いが免除されることはありません。
また、建物の劣化を防ぐための換気や清掃といったメンテナンスにも費用や労力を要します。
売却期間が長引くほど、経費が売却利益を損なう要因となります。
引っ越しできない
住み替えを予定している場合、旧居の売却資金が確定しないことで新居の購入手続きを進行できなくなります。
希望していた新居が他者に成約してしまうといった機会損失が発生します。
また、子供の入学や転勤など、期限の定まっているライフイベントに合わせて引越しを完了させることが困難になり、仮住まいの用意や引越し費用の重複といった余計な支出を招く恐れがあります。
計画通りの住み替えが実行できないことは、家計や家族の生活基盤に多大な負荷を与えます。
競売のリスク
住宅ローンの返済が継続している中で売却が進まない場合、家計の資金繰りが悪化する危険があります。
特に新居のローンと旧居のローンを同時に返済する「ダブルローン」の状態では、返済原資の枯渇からローンの滞納に直結しやすくなります。
滞納が数ヶ月継続すると、金融機関は債権回収のために競売の手続きを開始します。
競売による売却価格は一般市場の価格の5割から7割程度にまで下落し、売却後も多額の債務が残る可能性が極めて高くなります。
購入先行に注意
住み替えのために不動産売却する方法として売却先行と購入先行がありますが、購入先行の場合、特に注意が必要です。
利息負担の発生
新居の決済を旧居の売却代金充当前に進める場合、一時的な資金不足を補うために「住み替えローン」や「つなぎ融資」を利用することになります。
どちらの融資も一般的な住宅ローンと比較して金利が高く設定される傾向にあり、年利2.0%から4.0%程度に達することも珍しくありません。
この期間に支払う利息は元金の返済には充当されないため、支払った分だけ純粋な資産が失われることになります。
つなぎ融資を利用して3,000万円を調達した場合の試算を以下に示します。
| 借入金額 | 借入金利(年利) | 1ヶ月あたりの利息 | 6ヶ月間の累計損失 |
| 3,000万円 | 3.0% | 75,000円 | 450,000円 |
売却が半年遅延すれば累計損失は45万円となり、1年では90万円の現金が失われる計算です。
二重債務による家計への負荷
旧居のローン残債がある状態で新居のローンを開始するダブルローンの状態は、月々の固定費を急激に増加させます。
世帯所得に対する住居費の返済比率が適正水準を超えてしまうと日常生活の維持が難しくなります。
新生活のために確保していた貯蓄が売却遅延による返済補填に費やされることで、突発的な支出に対する予備費が枯渇し、家計の柔軟性が失われる事態を招きます。
販売戦略における交渉力の低下
購入先行による資金繰りの悪化は、売却活動における心理的および経済的な余裕を奪います。
売り主は一定の期限までに売却を完了させなければならないという時間的制約を負うことになり、これが買い手側との価格交渉において不利に働きます。
本来であれば拒否できるはずの過度な値引き要求(指値)に対しても、融資の返済期限や資金ショートを避けるために応じざるを得ない状況になるかもしれません。
結果として、融資利息の負担に加えて売却価格自体の下落という二重の経済的損失を被る可能性が高まります。
家が売れないときの対処法
売却活動が停滞している場合、これまでの手法や条件が間違っていることを認め、改善策を講じる必要があります。
以下の対策を検討してみましょう。
販売価格の改定
売却が進まないときの一番の効果的な対策が販売価格の引き下げです。
買い手の多くは、予算を決めて検索を行うため、現在の価格が枠を超えている場合は検討の対象にすら入りません。
類似物件の単価を再調査したり、競合物件と比較して優位性のある価格に設定したりし直すことで、潜在的な買い手への露出が増やせます。
媒介契約先の変更
現在の不動産会社による販売活動が停滞している場合は、他社へ切り替えることを検討してみましょう。
不動産会社によって得意とする地域や物件種別、保有する顧客リストの質は異なります。
特に、売主への状況報告が形式的であったり、具体的な集客改善案の提示がなかったりする場合は、その会社が当該物件の売却に適していない可能性が高いです。
地域の取引実績が豊富な会社や、積極的な広告運用を行う会社へ依頼先を変更することで販売状況が改善するケースは多く見られます。
広告用写真の撮り直し
物件の第一印象を決定づける写真を刷新することは、内覧数を増やすための有効な対策です。
買い手は写真の質で内覧の有無を判断するため、枚数が少ない、あるいは室内が暗く見える写真は大きな機会損失を招きます。
広角レンズを使用した専門的な撮影や、晴天時の外観撮影、生活感を取り除いた状態での室内撮影を改めて行い、物件の視覚的な魅力を正確に伝えることで問い合わせ率の向上が期待できます。
住宅診断の実施
築年数が経過している物件においては、買い手の抱く品質への不安を解消するためには住宅診断(インスペクション)の実施をしてみましょう。
専門家による建物の構造や雨漏りの有無に関する客観的な検査報告書を提示すれば築年数が古いことに対する不安を払拭できます。
中古住宅に抵抗感を持つ買い手に対しても、物件の安全性を根拠を持って証明することが可能となり、検討の優先順位を引き上げることができます。
不動産会社による直接買い取り
市場での売却を待つ余裕がない、あるいは住み替えの期限が迫っている場合は、不動産会社に物件を買い取ってもらうこともできます。
仲介による売却と比較して価格は下がりますが、買い手を探す期間が不要となり、最短で確実に現金化できるというメリットがあります。
また契約不適合責任も免除されることが一般的であるため、売却後のトラブルも避けられます。
不動産会社による直接買い取りは、早期に資金を確定させたい状況において極めて実効性の高い選択肢となります。
まとめ
住み替えに伴う不動産売却は、旧居の現金化と新居の確保を並行して管理する必要があり、資金計画とスケジュールの整合性が極めて重要です。
一般市場での売却が停滞し、資金確定の期限が迫っている局面においては、不動産会社による直接買取が計画の破綻を回避するための解決策になるでしょう。
当社は、市場流通が困難な物件の買い取りを積極的に行っております。
お家の売却状況でお困りの場合は、解決に向けた具体的な条件提示をいたしますのでお気軽にご相談ください。



