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築50年マンションは売れない?原因と売却するための方法

築50年ほど経ったマンションが売れずに困っていませんか?

古いマンションが売れにくいことは確かです。

しかしながら、2024年に首都圏で成約した中古マンションのうち築40年超の物件が全体の18.0%を占めているように売れないわけではありません。

売れにくいのと売れないのは別の話なのです。

正しい対処法を取れば、築50年のマンションでも売却できる可能性は十分あります。

参考記事:公益財団法人東日本不動産流通機構

本記事では、築50年マンションが売れにくい構造的な理由を整理した上で、物件の状況別に取れる具体的な対処法、売却以外の選択肢、売却時にかかる税金の基礎知識まで一通りを解説します。

目次

築50年マンションが売れにくい理由

築50年の物件が市場に出ても、なかなか買い手がつかない理由には、耐震性・ローン・費用・管理・設備という複数の要因が絡み合っています。

それぞれの要因を細かく見ていきましょう。

旧耐震基準に該当する物件が多い

50年前というと1970年代半ばに建てられた物件であり、その多くは1981年5月31日以前に建築確認申請を受けた旧耐震基準の建物です。

旧耐震基準は震度5程度の地震でも倒壊しないことを目標に設計されており、震度6〜7程度の大地震でも倒壊しないことを想定する新耐震基準とは耐震性能の考え方が根本的に異なります。

購入検討者が耐震性を重視するのは当然で、旧耐震基準の物件は選択肢から外される割合が高くなります。

金融機関も旧耐震基準の物件に対しては担保評価を厳しく見る傾向があるため、買い手が住宅ローンを組みにくくなるという二次的な問題も生じます。

耐震診断や耐震補強工事を済ませていない旧耐震物件は、市場での競争力が著しく低い状態にあります。

住宅ローンの借入可能額が下がりやすい

築年数が古いマンションは、金融機関の担保評価において建物の価値が低く査定されます。

鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年であり、これを目安に「47年から築年数を差し引いた残余年数」を住宅ローンの借入可能年数として設定している金融機関があります。

築50年の物件では、この計算上の残余年数がゼロかマイナスになってしまうため、融資審査が通らないか、通ったとしても借入可能額が制限されるケースがあるのです。

住宅ローンを使えない場合、購入者は現金で全額を用意しなければならず、購入できる層が現金購入者・投資家に限られます。

購入検討者の母数が減ることで、成約に至るまでの時間が長くなるのは避けられません。

2022年の税制改正により住宅ローン控除の対象は1982年以降に建築された住宅まで広がりましたが、1981年以前の旧耐震物件は耐震基準適合が条件となるため、適用を受けるためのハードルは依然として高い状態です。

修繕積立金の負担が大きくなっている

築年数を重ねたマンションは、大規模修繕の回数が増えるにつれて修繕積立金が値上がりしているケースが多くあります。

長期修繕計画に基づいて積立金が段階的に引き上げられてきた結果、月額の負担が新築時の数倍になっている物件も目立ちます。

購入を検討する側からすると、物件価格が安くても毎月の管理費と修繕積立金の合計が高額であれば、ランニングコストの負担感が増します。

実際の支払い総額は「物件価格+毎月のランニングコスト×居住年数」で決まるため、購入価格が安いだけでは割安とは言い切れないのです。

管理組合が機能していないケースがある

築年数が経過するにつれて住民の高齢化が進み、管理組合の役員のなり手が減少する問題が生じやすくなります。

管理組合の機能が低下すると、共用部の清掃が行き届かなくなったり、修繕計画が遅延したり、管理費や修繕積立金の滞納が放置されたりといった問題が起きます。

管理会社も修繕費の不足や組合の機能不全から十分な管理業務を行えなくなると、建物の劣化がさらに加速するという悪循環に陥ります。

こうした管理不全の状態は外観や共用部に表れやすく、内見時に購入検討者が敏感に察知するポイントでもあります。

また、金融機関がマンションの管理状態を融資審査の判断材料の一つにすることもあり、管理状態の良し悪しは成約のしやすさに直結する要素と言えるでしょう。

建物設備が現代の水準に合っていない

1970年代に建てられたマンションは、現在の住宅では当たり前となっているオートロックや宅配ボックス、断熱材の充実といった設備を備えていないことがあります。

エレベーターが隔階にしか停まらないスキップフロア方式を採用している物件、5階建て以下でエレベーター自体がない物件も存在します。

こうした設備面の差は、同じ価格帯の築浅物件と比較されたときに、購入候補から外される直接的な理由になります。

水回りの配管の老朽化も買い手の懸念事項の一つです。

専有部の給排水管が劣化していると、購入後に大規模なリフォームが必要になるリスクがあり、購入価格を下げて交渉される要因になります。

配管の状態は目視で確認しにくいため、売却前に専門業者による調査を行っておくと買い手の不安を払拭する材料として活用できます。

築50年でも売れるマンションの条件

築50年という数字だけで購入候補から外される物件がある一方、同じ年数なのに成約に至るケースも存在します。

ここで売れる可能性があるかどうかを判断するための条件を整理します。

立地の良さ

1960〜70年代に建てられたマンションは、都市開発の進展に伴って駅近や商業地周辺の好立地に建てられたものが多く残っています。

駅徒歩数分圏内、生活利便施設が充実したエリア、都心へのアクセスが優れたエリアにある物件は、築年数が50年を超えても立地価値が評価の中心となり、一定の需要が発生します。

エリアによって格差は大きく、都心の好立地では1億円を超える成約事例も報告されています。

立地が良い物件は、購入価格を抑えて自由にリノベーションしたい需要層や、賃貸運用を目的とした投資家層からの需要も見込めます。

管理状態が良好で修繕履歴が明確

「管理を買え」という業界の言葉があるように、マンションの資産価値は管理の質に大きく左右されます。

定期的な大規模修繕が実施され、長期修繕計画が適切に運営されていて、管理組合が正常に機能している物件は、築年数が古くても購入検討者の安心感が高まります。

売却活動において管理組合の議事録や長期修繕計画書、修繕履歴をまとめた資料を準備しておくことは、買い手に対する具体的な信頼の根拠になります。

共用部が清潔に保たれ、設備の点検記録が整理されている物件は、同じ築年数の物件と比べて交渉がスムーズに進みやすい傾向があります。

耐震補強済みか新耐震基準を満たしている

旧耐震基準の物件であっても、耐震診断を受けて現行基準に相当する耐震性能があると確認された物件や、耐震補強工事が完了した物件は売却の好材料です。

旧耐震から新耐震基準に適合していることが確認されれば、住宅ローン控除の適用可能性が生まれ、購入層が広がります。

築50年マンションを売るためのポイント

売れない状況から抜け出すには、原因に対応した具体的な行動が必要です。

価格・買い手の絞り込み・物件の見せ方・売り出しタイミングという観点からポイントを紹介します。

相場に合った価格に設定する

売れ続けている物件は、立地や管理状態・築年数を反映した価格で売り出されています。

希望価格が相場から大きく外れた状態で売り出しを続けると、問い合わせが来ないまま時間だけが経過し、「長期間売れ残っている物件」というマイナスの印象がつくリスクがあります。

相場を把握するには、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で公表されている不動産取引価格情報を確認する方法や、複数の不動産会社に査定を依頼して根拠となる近隣の成約事例を提示してもらう方法があります。

同一マンション内の過去の成約事例があれば最も参考になるため、仲介会社に確認してみるとよいでしょう。

不動産買取業者に直接売却する

通常の仲介売却で買い手が見つからない場合、不動産買取業者に直接売却する方法があります。

買取業者は転売・リノベーション・賃貸運用を前提として物件を評価するため、一般の購入者が敬遠するような築古物件でも取引に応じる場合があります。

成約までのスピードが速く、内覧対応や長期の売却活動の手間が省ける点がメリットです。

ただし買取価格は市場価格より低くなるのが一般的で、仲介での成約価格の7〜8割程度になるケースが多いとされています。

買取再販の実績が豊富な業者は築古マンションをリノベーションして再販するノウハウを持っており、買取単価が他社より高いケースがあります。

投資家・現金購入者をターゲットにする

築50年のマンションで住宅ローンが使いにくい場合、ターゲット層を現金で購入できる投資家や、賃貸運用を目的とした不動産オーナーに絞ることが有効な戦略です。

立地が良く、賃貸需要が見込めるエリアの物件であれば、表面利回りを計算した上で投資物件としての訴求ができます。

売却活動では、不動産ポータルサイトへの掲載と並行して、投資用物件を専門に扱う不動産会社への依頼や、リノベーション前提で安く物件を取得したいという若年層・DIY愛好層に向けた訴求も検討する価値があります。

ハウスクリーニングと部分修繕で印象を整える

内覧時の第一印象は成約率に直結します。

長期間使用されていないマンションや古い設備が残ったままの物件は、適切な清掃と最低限の修繕だけで印象が見違えます。

水回り(キッチン・浴室・トイレ)のハウスクリーニング、窓ガラスの清掃、照明の交換は、費用対効果の高い改善策です。

一方で、大規模なリフォームに踏み切る前に費用対効果をよく検討することが必要です。

リノベーションを前提に購入したい買い手にとっては、売主側が施工した内装は好みに合わない場合があり、却って価格交渉の材料にされることもあります。

修繕をするか現状のまま売るかは、ターゲットとする購入層の性質によって判断してください。

大規模修繕後のタイミングで売り出す

外壁塗装や屋根の防水工事など、マンション全体の大規模修繕が完了した直後は、共用部分が刷新されて物件全体の印象が改善されるタイミングです。

内覧に来た見学者が共用部に好印象を持てば、それが成約の後押しになります。

大規模修繕の実施予定が分かっている場合は、完了後に売り出しを開始することで成約しやすい状態に整えられます。

また、将来的に建て替えの計画があるマンションでは、建て替え完了後に新築扱いとして大幅に価格が上がる可能性があります。

売却以外の選択肢はある?

売却活動を進めても思うように進まない場合、「売ること」にこだわらない別の出口を検討してみてもよいでしょう。

賃貸物件として活用する

売れない期間が続くよりも、賃貸に出して収入を得ながら将来の売却機会を待つという方法があります。

立地が良く、駅近や大学・病院の周辺にある物件であれば、築年数が古くても賃料を抑えることで入居者を見つけられるケースがあります。

賃貸として稼働している物件は空き家よりも状態が維持されやすく、オーナーにとって維持費負担を軽減しながら資産を保有し続ける手段になります。

ただし、一度賃貸に出すと入居者が退去するまで売却できない期間が生じること、また賃貸に出すことで居住用財産の3,000万円特別控除を適用できなくなる可能性があることに注意が必要です。

リースバックを利用する

リースバックとは、所有するマンションを不動産会社に売却し、売却後も賃貸として同じ住居に住み続けられる仕組みです。

売却代金を受け取りながら引っ越しをせずに住み続けられるため、老後の生活資金確保や住宅ローンの一括返済を目的に利用されることが多い方法です。

固定資産税・管理費・修繕積立金といった所有者としての費用負担もなくなります。

注意点として、リースバックによる売却価格は市場価格の60〜80%程度になることが多く、通常の仲介売却に比べて受け取れる金額が少なくなります。

売却後に支払う賃料が周辺の賃貸相場より割高になることもあり、長期間住み続けると支払った賃料の累計が売却代金を超えるケースもあります。

契約形態が定期借家契約の場合は、契約期間満了後に退去を求められるリスクもあるため、契約書の内容を十分確認した上で複数の事業者の条件を比較してください。

売却時にかかる税金について

築50年のマンションを売却する際に生じる税金の基本を把握しておきましょう。

所有期間による税率の違い

マンションを売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税として所得税・住民税・復興特別所得税が課されます。

課税対象となる譲渡所得は「売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額」で計算します。

取得費は購入代金に諸費用を加えたものですが、建物については購入から売却までの減価償却費相当額を差し引きます。

購入時の書類が残っていない場合は、売却価格の5%を概算取得費として使うことができます。

税率は売却する年の1月1日時点での所有期間が5年以下かどうかで変わります。

5年以下の場合は短期譲渡所得として所得税30%・住民税9%・復興特別所得税が適用され、5年超の場合は長期譲渡所得として所得税15%・住民税5%・復興特別所得税が適用されます。

築50年の物件であれば所有期間が5年を超えているケースがほとんどで、長期譲渡所得の税率が適用されます。

居住用財産の3,000万円特別控除の適用条件

実際に居住していたマンションを売却する場合、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」が適用できる可能性があります。

これは譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度で、居住用として自分が住んでいた物件であれば所有期間の長短を問わず適用が認められています。

控除を適用することで、3,000万円以下の譲渡益であれば課税対象が0になります。

適用を受けるためには売却した翌年の確定申告で特例の申告が必要です。

住まなくなってから3年を経過する年の12月31日を超えて売却した場合は適用できないという期限があります。

また、賃貸に出した後に売却する場合は居住用財産とみなされないため、控除の適用外となる点に注意が必要です。

控除の適用可否や節税効果については、売却前には税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

築50年マンションが売れにくいのは、旧耐震基準・住宅ローンの制限・修繕積立金の高さ・管理状態・設備の古さという構造的な理由によるものです。

一方で、首都圏では築40年超の成約物件が全体の18%を占めるというデータが示すように、最初から売れないとあきらめる必要はありません。

立地が良い物件、管理状態が良好な物件、耐震補強を済ませた物件は成約の可能性が高くなります。

売却活動では相場に合った価格設定を出発点とし、投資家・現金購入者への訴求や不動産買取業者への相談を組み合わせることが実践的なアプローチとなりますが、どうしても売れない場合は賃貸活用やリースバックという選択肢もあります。

INTERIQでは、築50年のマンションであっても喜んで買い取りを行っております。

どのようなことでもお気軽にお問い合わせくださいませ。

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