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別荘が売れない原因と確実に売却するための方法|税金・費用・手順まで解説

別荘を売りたいと思っても、なかなか買い手が見つからないという状況は珍しくありません。

一般住宅とは異なった需要構造を持つ別荘は、売り方を間違えると長期間売れ残るリスクがあります。

本記事では、別荘が売れにくい本質的な理由を整理した上で、仲介・買取・空き家バンクという3つの売却手段の特徴を解説します。

どうしても売れない場合の最終手段、そして放置し続けた場合のリスクまでお伝えします。

目次

別荘が売れにくい理由とは

別荘が思うように売れない背景には、立地・建物・費用・インフラに関わる複数の要因が重なっています。

それぞれ細かく見ていきましょう。

需要が限られたエリアにある

別荘需要は全国一様ではなく、人気の観光地・リゾートエリア・避暑地に集中しています。

山間部や海沿いであっても、有名な観光スポットから離れた場所や、知名度の低いエリアにある別荘は、そもそも購入を検討する人が少なく、買い手を探す難易度が上がります。

また、近年の二拠点生活ブームやテレワーク需要によって別荘への関心は高まっているものの、購入者が選ぶエリアには偏りがあり、人気エリアと不人気エリアの格差は縮まっていません。

売却しようとしている別荘がどのエリアに属するかを見極めることが、売却戦略を立てる前提になります。

老朽化により建物の資産価値が低い

築年数が古い別荘は、建物の老朽化が進んでいることがよくあります。

木造住宅の法定耐用年数は22年とされており、これを超えると建物の会計上の価値はほとんどありません。

建物に価値を見出せない場合、土地のみの価格として評価することになり、売り主が希望する価格との乖離が生じやすくなります。

特に、メンテナンスが行き届いていない別荘は、屋根・外壁・水回りの劣化が深刻なことも多く、購入後のリフォーム費用を見越して大幅に値引きを要求されるケースがあります。

維持費(管理費・固定資産税)の負担

別荘地では、管理組合への管理費・修繕積立金の支払いが義務づけられているケースが多く、月額数千円から数万円程度の継続的な費用が発生します。

さらに固定資産税も毎年かかります。

購入を検討する人は、購入代金だけでなく所有後に発生し続けるコストも考慮するため、維持費の高さが購入の障壁になることがあります。

交通アクセスの悪さ

別荘地は自然環境を重視する性質上、交通アクセスの悪さが課題になるケースが少なくありません。

近年は高齢化に伴って車を手放す人が増えており、売却のしにくさが懸念されます。

別荘地特有のインフラ問題(上下水道・私道管理など)

別荘地では、公共下水道が整備されていない地域も多く、浄化槽の管理・交換が所有者の責任となります。

また、電気・ガスの引き込み状況、井戸水の使用、道路が私道かどうかといった問題も売却時に確認を要する事項です。

特に私道に面している物件では、通行権の有無や私道の維持管理費の負担割合が不明確なケースがあり、これが売買契約の妨げになることがあります。

別荘の売却方法

別荘の売却方法は大きく3つに分かれます。

それぞれ成約までの期間・価格・手間が異なるため、自分の状況に合った方法を選んでみましょう。

不動産仲介による一般売却

最も一般的な方法は、不動産会社に仲介を依頼して買い手を探す方法です。

不動産会社は物件の広告掲載・内覧対応・価格交渉・契約手続きまでをサポートし、売買が成立した際に仲介手数料を受け取ります。

売却価格が市場価格に近くなりやすい点がメリットですが、買い手が見つかるまでに数ヶ月から1年以上かかることもあります。

別荘の仲介を依頼する際は、そのエリアや別荘地に強い不動産会社を選ぶことが重要です。

都市部の一般住宅を主に扱う会社に依頼しても、別荘の需要層にアプローチするノウハウや販売網を持っていない場合があります。

不動産買取業者への直接売却

不動産買取業者は、仲介を経ずに直接売主から物件を購入します。

成約スピードが速く、買い手が見つからない状況でも一定の価格で売却できる確実性があります。

内覧対応や長期にわたる売却活動の手間が省ける点も魅力です。

一方で、仲介で売れた場合に比べて手取り額が少なくなることがほとんどです。

また、別荘地の物件は買取業者が敬遠するケースもあり、複数社に問い合わせても買い取ってもらえない可能性もあります。

急いで手放したい場合や、長期間売れ残っている場合に検討する選択肢として位置づけるとよいでしょう。

自治体の空き家バンクへの登録

空き家バンクは、空き家・空き地の売却や賃貸を希望するオーナーと、移住・二拠点生活を希望する人をつなぐ自治体の仲介サービスです。

移住促進に力を入れている自治体では独自の補助金と組み合わせることができ、購入希望者の背中を押す効果があります。

売却価格を相場より低めに設定することが多いため価格面での期待はできませんが、行政が関与することで信頼性が高く、移住意欲のある真剣な購入希望者にアプローチできるメリットがあります。

農村・山村エリアの別荘で一般の不動産市場では買い手が見つかりにくい場合、空き家バンクは有効な選択肢になるでしょう。

別荘の売却にかかる諸費用

譲渡所得税

不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税として所得税・住民税・復興特別所得税が課されます。

課税対象となる譲渡所得の計算式は次のとおりです。

譲渡所得 = 売却価格 ―(取得費 + 譲渡費用)

取得費は購入代金や仲介手数料などの合計ですが、建物については購入から売却までの経過年数に応じた減価償却費相当額を差し引いて計算します。

譲渡費用は売却時の仲介手数料・印紙代・測量費・解体費などです。

税率は所有期間によって異なり、売却する年の1月1日時点での所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として所得税30%・住民税9%・復興特別所得税(所得税の2.1%)が適用されます。

5年超の場合は長期譲渡所得として所得税15%・住民税5%・復興特別所得税(同)が適用されます。

ただし、マイホームの売却で利用できる「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(租税特別措置法35条)」は別荘には適用されない点には注意です。

この特例は「主として趣味・娯楽・保養のために所有する家屋」を明示的に適用対象外としており、国税庁もこれを確認しています。

したがって別荘の売却では、たとえ譲渡益が3,000万円以内であっても、この特例による非課税措置を受けることはできません。

取得時の書類がなく取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算できます。

仲介手数料・測量費・解体費用

不動産仲介を依頼した場合の仲介手数料には法律で上限が定められており、売買価格が400万円を超える場合の速算式は「(売却価格×3%+6万円)×消費税(1.1)」です。

仮に売却価格が1,000万円の場合は(1,000万円×3%+6万円)×1.1=39.6万円が上限となります。

なお2024年7月1日以降、800万円以下の物件については上限が33万円(税込)に改定されています。

測量費は、境界が未確定の場合に隣地との境界を確定するために必要な費用で、土地の広さや隣接地の数によって異なりますが、数十万円程度が一般的な目安です。

解体費用は、建物を取り壊して更地にして売却する場合に発生します。

確定申告が不要になるケース

別荘の売却で譲渡益が生じた場合は、原則として翌年の確定申告が必要です。

売却価格が取得費と譲渡費用を下回り、譲渡損失(赤字)が生じた場合は原則として確定申告の義務はありませんが、譲渡損失が生じた場合でも、給与所得など他の所得との損益通算や繰越控除を利用したい場合は申告を行う必要があります。

売却に際して税務上の判断に迷う場合は、税理士に相談することをおすすめします。

別荘を少しでも高く売るためのコツ

別荘を少しでも高く売りたいときに何かできることはあるでしょうか。

ここでは、売却時のコツをお伝えします。

売却前に相場を把握する

売り出し価格の設定は、売却活動全体の成否を左右します。

価格が高すぎると問い合わせすら来ず、低すぎると損失が生じます。

相場を把握するためには、国土交通省の「不動産ライブラリ」で公表されている不動産取引価格情報を参照する方法、複数の不動産会社に査定を依頼して比較する方法などがあります。

別荘地の取引事例は一般の住宅より少ないため、近隣の類似物件の成約事例が限られることがあります。

そのため、単一の不動産会社の査定だけを参考にするのではなく、少なくとも2〜3社から査定を取り、根拠となる比較事例とともに説明を受けることが重要です。

別荘に強い不動産会社を選ぶ

別荘の売却は、エリアや別荘市場に精通した会社に依頼できれば心強いです。

別荘地専門の不動産会社や、リゾート物件を多く扱うエリア密着型の会社は、購入希望者のネットワークと専門知識を持っており、一般の不動産会社と比べて成約につながりやすいケースがあります。

会社を選ぶ際には、過去の別荘・リゾート物件の取扱実績や成約事例を確認してみましょう。

売り出し時期を観光シーズンに合わせる

別荘の購入を検討する人が物件に興味を持ちやすいのは、その地域を実際に訪れる機会が増える時期、すなわち観光シーズンです。

山岳・高原の別荘なら春から夏・秋、海辺の別荘なら春から夏が、購入検討者が現地を訪れるタイミングと一致しやすく、見学の依頼も入りやすくなります。

オフシーズンに売り出しを始めると反応が乏しいまま時間が経過しやすくなります。

売却活動の開始タイミングは、そのエリアの観光シーズンの1〜2ヶ月前を目安に設定すると効果的です。

最低限のリフォーム・清掃で印象を良くする

長期間使用されていなかった別荘は、埃・カビ・水回りの汚れ・害虫の痕跡などが目に付きやすく、悪印象を与えます。

費用をかけた大規模リフォームは費用対効果が見えにくいですが、ハウスクリーニング・窓や水回りの清掃・庭木の剪定・電灯の交換といった軽微な対処だけでも、物件の印象は良くなります。

また、故障している設備(給湯器・エアコンなど)がある場合は、修繕するか、修繕費用の見積もりを提示した上で価格に反映するかを不動産会社と相談して決めてください。

瑕疵があることを隠して売却すると、引き渡し後に契約不適合責任を問われるリスクがあります。

売れない別荘を手放すための最終手段

長期間売れ続けた場合や、どうしても買い手が見つからない場合には、売却にこだわらず別の方法で手放すことも検討する必要があります。

無償譲渡

無償譲渡とは、売却代金を受け取らずに第三者に物件を引き渡す方法です。

買い手が見つからない状態で維持費と固定資産税の支払いが続くよりも、維持費の負担を無くすメリットを優先する判断です。

ただし、0円での売買であっても贈与税が課される場合があります。

個人から個人への無償譲渡は、受け取った側が利益を得たとみなされ、時価相当額に基づく贈与税の課税対象となる可能性があるのです。

相続土地国庫帰属制度の活用

2023年4月27日に施行された相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈によって取得した不要な土地を、一定の要件を満たした場合に国に引き渡せる制度です。

別荘地の土地を相続したが利用する予定がなく、売却もできずに困っているという場合に検討できます。

制度を利用するには、申請時に1筆あたり1万4,000円の審査手数料が必要です。

承認された場合は10年分の管理費用相当として算出された負担金の納付が求められます。

宅地の場合、負担金は面積によらず原則20万円が目安とされていますが(市街化区域内などの例外あり)、条件によって変わります。

なお、建物が残っている土地は申請が認められないため、建物を解体した上で申請する必要があります。

また、この制度は相続や遺贈で取得した土地に限られており、自ら購入した別荘には利用できません。

法人向け寄付・自治体への寄贈

自治体やNPO法人、公益法人への寄贈・寄付という選択肢もありますが、受け入れてもらえるかどうかは相手方の状況や土地の条件に依存します。

自治体は財政上の負担を考慮して不動産の受け入れには慎重なケースが多く、受け入れ条件は各自治体によって判断されます。

企業や法人への贈与は、受け取った側に法人税が課される可能性があるため、相手方と費用負担を含めた条件を十分に協議する必要があります。

いずれの方法も、手放せる可能性は限られており、あくまでも他の手段がすべて行き詰まった場合の最終的な検討項目として考えましょう。

別荘を放置し続けるリスク

管理費・固定資産税が毎年かかり続ける

別荘を所有している限り、固定資産税は毎年課税されます。

利用していなくても、売れ残っていても例外はありません。

別荘地では管理組合への管理費の支払いも必要なケースが多く、年単位で見れば無視できない金額になります。

加えて、別荘は居住用住宅ではないため、固定資産税における住宅用地の特例(税負担を軽減する措置)が適用されず、更地と同等の税率が課されます。

利用しない別荘を持ち続けることは、支出が続く状態であることを改めて認識する必要があります。

特定空き家に認定されると固定資産税が最大6倍になる

管理が行き届かず、倒壊の危険・衛生上の問題・景観の著しい悪化・周辺環境への悪影響が認められる空き家は、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づいて「特定空き家」に指定される可能性があります。

特定空き家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例の適用が外れ、税額が最大で6倍になることがあります。

特定空き家より以前の段階であっても「管理不全空き家」として勧告を受けると、同様に住宅用地特例の適用から外されてしまいます。

行政からの指導を無視し続けると、最終的に行政代執行による強制解体が行われ、費用が所有者に請求されます。

損害賠償責任を負う可能性がある

老朽化した建物を放置すると、屋根瓦や外壁が崩落して隣地や通行人に損害を与えるリスクが生じます。

民法717条(工作物責任)では、土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じさせた場合、その占有者または所有者が損害賠償責任を負うと定めています。

占有者が責任を負えない場合は所有者が責任を負う構造になっており、所有しているだけで第三者への損害賠償リスクが生じることを意味します。

長期間手入れをしていない別荘地の建物は、こうしたリスクの温床になりえます。

売却・譲渡・解体といった何らかの対処をとらない限り、建物の老朽化は進む一方であり、リスクは時間とともに高まります。

まとめ

別荘が売れない主な原因は、需要が限られたエリア・建物の老朽化・維持費の高さ・アクセスの悪さ・インフラ問題という5つの要因の組み合わせです。

売却を成功させるためには、別荘に精通した不動産会社への依頼・観光シーズン前の売り出し・最低限の清掃と印象改善を組み合わせることが基本戦略になります。

税金面では、居住用財産の3,000万円特別控除が適用されないことを前提に、売却前に取得費の書類を整理し、譲渡益の概算を把握した上で税理士に相談することをおすすめします。

どうしても売れない場合は、0円での無償譲渡・相続土地国庫帰属制度(相続した土地の場合)・空き家バンクへの登録といった手段も視野に入れてください。

放置し続ければ固定資産税・管理費の累積負担と、特定空き家認定や損害賠償リスクが高まるため、早めの決断が最終的な損失を最小限にします。

当社では、別荘の積極的な買取を行っております。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

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