「憧れのマイホーム!けれど4,000万円ものローンを組んで本当に大丈夫だろうか…」
4,000万円という借入額は、決して少額ではありません。
返済計画を一歩間違えると住宅ローン貧乏に陥るリスクも秘めています。
しかし、ご自身の家計に見合った正しいシミュレーションができてさえいれば、過度に恐れる必要はありません。
本記事では、4,000万円を借りた場合の月々の返済額がどうなるかに加え、後悔してしまう人の共通点、そして失敗しない資金計画の立て方を徹底解説します。
- 4,000万円借りた場合の「毎月の返済額」
- 4,000万円のローンを組める年収の目安と返済負担率
- 2025年以降の金利動向を踏まえた、変動金利・固定金利の選び方
- 教育費や老後資金との両立を叶えるための資金計画の立て方
住宅ローン4,000万円の毎月の返済額
4000万円を借りた場合、毎月の返済額のシミュレーションを表にしました。
| 返済期間・金利(年率) | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
| ①35年0.5%(変動目安) | 約10.4万円 | 約4,370万円 | 約370万円 |
| ②35年1.5%(固定目安) | 約12.2万円 | 約5,140万円 | 約1,140万円 |
| ③25年0.5%(変動目安) | 約14.1万円 | 約4,250万円 | 約250万円 |
| ④25年1.5%(固定目安) | 約16.0万円 | 約4,800万円 | 約800万円 |
①変動金利で年0.5%、返済期間35年の場合、月々の返済額は約10.4万円になります。
②固定金利で年1.5%なら月々約12.2万円です。
金利が1%違うだけで月々の返済額は約1.8万円、年間で約21.6万円の差が生まれます。
返済期間を25年に短縮すると③変動金利で年0.5%として月々約14.1万円、④固定金利年1.5%として月々約16万円まで上がります。
総返済額で見てみると、とても大きな差が現れます。
①年0.5%で35年返済の場合、総返済額は約4,370万円で利息は約370万円です。
②年1.5%で35年なら総返済額は約5,140万円、利息は約1,140万円になります。
同じ4,000万円を借りても、金利と返済期間の選択によって支払う利息が数百万円単位で変わるのです。
住宅ローン4,000万円で後悔する理由
ここで、4000万円のローンを組んで後悔したという人たちに共通する理由を見ていきましょう。
月々の返済が多すぎて生活を圧迫
返済額が手取り収入に占める割合が大きいと日常生活に余裕がなくなります。
目安として返済額が手取り収入の25%を超えると生活がかなり制限されると考えてください。
月々12万円の返済は年間で総額144万円です。
手取り年収が500万円と仮定すると返済だけで年収の約29%が消えていきます。
ここから食費、光熱費、通信費、保険料などの固定費を差し引くと自由に使えるお金はほとんど残りません。
収入が変わらなければ、外食を控え、旅行も我慢し、趣味にお金を使えない生活が何十年も続きます。
貯蓄も難しいため、将来への不安が常につきまとい精神的なストレスも蓄積していくでしょう。
ボーナス払いが負担
ボーナス併用で返済計画を立てた場合、ボーナス時期に大きな支払いが発生します。
ボーナス月に多額の返済があるとほとんどが住宅ローンに消えてしまいます。
ボーナスは必ず支給されるものではなく、景気や会社の状況に左右される不安定な収入です。
もし企業の業績悪化でボーナスが減額されたり、カットされたりすると返済が一気に苦しくなります。
リーマンショックやコロナ禍のように、予期せぬ経済危機が起こることは十分にあり得ます。
教育費が想定以上にかかった
住宅ローンを組む時点では子どもがまだ小さく、将来の教育費を具体的にイメージできていないことが多いものです。
幼稚園や保育園の時期は負担は軽いですが、小学校、中学、高校と進むにつれて部活動の費用、塾代、受験費用などがかかってきます。
特に大学進学時の負担は大きく、私立大学であれば入学金と4年間の授業料だけで500万円を超えることも珍しくありません。
一人暮らしの仕送りが必要になれば、額はさらに膨れ上がりますし、兄弟がいればなおさらです。
10年後、15年後に必要になる費用を甘く見積もっていたため、いざそのときが来ると住宅ローンと教育費の両立ができないといったケースはよくあります。
突発的な支出があったときに対応できない
マイホームを持つと住宅ローンの返済以外にも予想外の修繕費用が発生します。
例えば、築10年を過ぎる頃から給湯器の故障や屋根の雨漏り、外壁のメンテナンスなどが必要になり始めます。
エアコンや水回りの設備も、寿命が来れば交換しなければなりません。
また、家族の病気やケガによる高額な医療費、親の介護に伴う施設費用や備品代など、予期せぬ事態は誰にでも起こり得ます。
そのほかにも車の故障による買い替えや、冠婚葬祭などの急な出費も想定しておく必要があります。
もし、毎月の住宅ローン返済だけで家計がギリギリの状態であれば、このようなもしもの時に手元にお金がなく、生活が立ち行かなくなってしまう恐れがあるのです。
住宅ローン4,000万円が適正かどうかの判断基準
4,000万円という金額が自分にとって適正かどうかは、年収や家族構成、将来の計画によって変わります。
客観的な基準を使って冷静に判断することが重要です。
年収倍率から見た適正額
住宅ローンの借入額は、一般的に年収の5倍から6倍までが安全圏とされています。
年収800万円なら4,000万円から4,800万円、年収700万円なら3,500万円から4,200万円です。
年収600万円で4,000万円を借りると年収倍率は約6.7倍、年収500万円で4,000万円なら8倍になり、明らかに過大な借入になります。
年収倍率はあくまで目安ですが、これを大きく超える借入は慎重に考えるべきです。
金融機関が融資可能と判断してもそれは返済能力があると判断しただけで、余裕を持って返済できることを保証するものではありません。
自分の生活スタイルや将来の計画を考慮して、無理のない範囲で借りることが大切です。
返済負担率から見た適正額
住宅ローンの借入額を決める際、指標となるのが「返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)」です。
一般的に無理なく返済を続けるためには、この割合を手取り年収の25%以内に収めるのが理想的とされています。
例えば、手取り年収が500万円の場合、年間の返済額は125万円以内、月々に換算すると約10.4万円が安心できる目安です。
4,000万円を35年ローンで組むケースで考えてみましょう。
金利が0.5%であれば月々の返済は約10.4万円となり、手取り年収500万円の人ならギリギリ25%のラインに収まります。
しかし、金利が1.5%になると返済額は月々約12.2万円(年間約146万円)に跳ね上がり、負担率は約29%まで上昇してしまいます。
もし手取り年収が400万円だった場合、負担率は35%を超え、家計を著しく圧迫する危険な水準となってしまうのです。
ライフプランから見た適正額
住宅ローンは30年、35年と続く長いお付き合いです。
だからこそ、将来のライフイベントを見据えた計画が必要です。
子どもの教育費はすべて公立でも、幼稚園から大学卒業までに子ども1人あたり約1,000万円かかると言われています。
私立へ進学すればさらに増額となり、子どもが2人なら2,000万円、3人なら3,000万円…と、家一軒分のお金が教育費だけで消えていく計算になります。
そして忘れてはならないのが、自分たちの老後資金です。
定年までに住宅ローンを完済できたとしても、その時点で貯蓄が底をついていては意味がありません。
公的年金だけでは生活費が不足する現代、老後資金として最低でも2,000万〜3,000万円は確保したいところです。
住宅ローン4,000万円で後悔しないための資金計画
4,000万円を借りる場合でも、適切な資金計画を立てることで後悔のリスクを減らすことができます。
ここからは、借入前に実行すべき対策を具体的に解説します。
頭金の準備
住宅ローンを組む際、物件価格の2割程度の頭金を用意するのが理想的と言われています。
これは借入額を減らし、返済を楽にするためです。
例えば、当初4,000万円の借り入れを予定していたとします。
ここで頑張って頭金を500万円多く入れ、借入額を3,500万円に抑えることができれば、月々の返済額は約1万円安くなります。
たかが1万円と思うかもしれませんが、年間で約12万円、35年間では約420万円もの差が生まれます。
頭金は、長い目で見ると非常に大きな節約効果を生むのです。
ただし、頭金を入れすぎて手元の貯金がほとんどない状態にしてしまったら別のリスクが出てきてしまいます。
頭金と手元に残すお金のバランスを慎重に計画しましょう。
金利タイプの選択
変動金利と固定金利のどちらを選ぶかによって返済額が変わってきます。
変動金利は当初の金利が低いため月々の返済額を抑えられますが、将来的に金利が上昇するリスクがあります。
固定金利は当初の金利が高めですが、返済期間中ずっと金利が変わりません。
金利の安さから変動金利を選ぶ人が多数派ですが、固定金利は返済額が確定するため、将来の家計管理がしやすくなります。
安易に決めるのではなく、どちらがよいか家族で話し合い、リスク許容度に応じて選択してください。
繰り上げ返済の計画
繰り上げ返済は、返済期間を短縮したり総返済額を減らしたりする有効な方法です。
臨時収入があったときに、まとまった金額を繰り上げ返済に充てることで利息負担を大きく減らせます。
4,000万円を年1.5%で35年返済している場合、毎年50万円を繰り上げ返済すれば返済期間を約8年短縮し、利息を約400万円削減できる可能性があります。
早い時期に繰り上げ返済するほど効果は大きくなります。
繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減型があるので自分のライフプランに合わせて使い分けてください。
毎月の返済額を維持したまま、返済期間を短縮する手法。
早期完済を目指す場合に有効で、利息軽減効果は返済額軽減型よりも大きくなる。
完済までの期間は変えず、繰り上げ返済した分を元に再計算を行い、毎月の返済額を減額する手法。
毎月のキャッシュフローを改善し、家計の固定費を下げたい場合に適している。
緊急予備資金の確保
住宅ローンの返済を開始した後も、緊急時に使える資金を確保しておくことが重要です。
病気、失業、家の修繕など、予期せぬ出費はいつ発生するかわかりません。
緊急予備資金として、最低でも生活費の半年分は確保してください。
月々の生活費が30万円なら180万円、40万円なら240万円です。
緊急予備資金はすぐに引き出せる普通預金や定期預金に置いておき、本当に緊急のときだけ使うようにします。
投資に回したり、繰り上げ返済に充てたりせず、いざというときのために温存してください。
緊急予備資金があることで突発的な出費があっても対応でき、消費者金融に頼る必要がなくなり、安心感が得られます。
既に4,000万円を借りてしまった場合の対処法
返済が厳しくなってきた場合や、将来への不安が大きい場合は、早めに対処することが重要です。
放置すると状況は悪化するため、具体的な行動を起こしてください。
借り換えを検討する
もし今の金利が高いと感じているなら、他社の住宅ローンへの借り換えを検討してみましょう。
月々の返済額や総返済額を大幅に減らせる可能性があります。
例えば、残りの返済期間が20年ある状態で、金利1.5%から0.5%のローンに借り換えたとします。
これだけで月々の返済は約2万円減り、年間で約24万円、完済までのトータルでは約480万円もの節約になります。
ただし、借り換えには事務手数料や保証料、登記費用などで数十万円〜100万円程度の諸費用がかかります。
「諸費用を払ってでも得するか?」を計算することが重要です。
一般的に返済期間が10年以上残っており金利差が0.5%以上あるなら、諸費用を差し引いてもメリットが出る可能性が高いと言われています。
借り換えには改めて審査があり、現在の収入や健康状態によっては利用できないこともあります。
返済計画の見直しを金融機関に相談する
もし住宅ローンの返済が厳しくなったら、無理をせず、すぐに借入先の金融機関に相談してください。
返済計画を見直すことで家計を立て直せる可能性があります。
具体的な方法としては、返済期間の延長(例えば35年返済を40年に延ばすなど)や、一時的な返済額の減額などがあります。
期間を延ばせば、月々の返済額は数万円単位で軽くなります。
ただし、期間が長くなる分、最終的な総返済額は増えてしまいます。
あくまで緊急避難的な措置として利用し、収入が安定したら繰り上げ返済で期間を短くすることを目指しましょう。
必ず返済が滞る前に相談してください。
延滞してしまってからでは交渉が難しくなり、最悪の場合、家が競売にかけられてしまう恐れがあります。

まとめ
4,000万円の住宅ローンを組むと金利や期間にもよりますが、毎月10万円から16万円もの返済がスタートします。
「なんとかなる」と思って借りたものの、日々の生活が圧迫されたり、子供の教育費や急な出費に対応できなくなったりして、後になって悔やむ人は少なくありません。
自分にとっての適正額を見極めるには、「年収倍率(年収の5〜6倍)」「返済負担率(手取りの25%以内)」「ライフプラン(将来の出費)」の3つの基準でチェックすることが大切です。
将来的にかかるであろう教育費や老後資金もしっかり計算に入れ、無理のない金額設定にしましょう。



