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殺人が発生した物件を売却するときの注意点|告知義務と価格への影響

殺人が発生した物件を売却するときの注意点|告知義務と価格への影響

殺人事件が発生した物件は、不動産取引において「心理的瑕疵(かし)」があるものとみなされ、買主に対してその事実を伝える告知義務が生じます。

この事実が資産価値に与える影響は大きく、通常の仲介売却では買い手が見つかりにくい、あるいは大幅な値引きを余儀なくされるのが実情となっています。

本記事では、2021年に国土交通省が策定したガイドラインに基づく告知の基準や、事件物件を適正に売却するための具体的な実務について解説します。

この記事でわかること
  • 殺人事件があった物件の価格
  • 殺人事件があった物件の告知事項について
  • 殺人事件があった物件の売却方法
目次

心理的瑕疵(事故物件)における告知義務の基準

殺人事件が発生した物件は、不動産取引において「心理的瑕疵(しんりてきかし)」がある物件として扱われます。

売主および不動産仲介業者は、買主が購入の判断を下す際に重大な影響を及ぼす事実として、正確に伝える義務を負います。

宅地建物取引業者による告知義務のガイドライン

2021年、国土交通省は「宅地建物取引業者による人の死に関する告知義務に関するガイドライン」を策定しました。

この指針では、老衰や持病による病死などの自然死については原則として告知不要とされていますが、殺人、自死、火災による死亡などの不自然な死については、告知義務の対象となることが明示されています。

殺人事件は、買主に与える心理的拒絶感が最も強い事象の一つであり、実務上、隠匿して売買することは不可能です。

告知が必要となる期間

賃貸借取引においては、事故発生から概ね3年が経過すれば告知義務がなくなるとされる基準がありますが、売買取引においては原則として告知期限が設けられていません。

事件から数十年が経過していても、近隣住民の記憶に残っていたり、インターネット上に記録が残っていたりする場合、買主が「知っていれば買わなかった」と主張する合理的な理由になり得ます。

そのため、売買においては期間を問わず、事実を開示することが標準的な対応となります。

告知を怠った場合の法的リスク

事件の事実を意図的に隠して売却した場合、買主から「契約不適合責任」を問われるリスクがあります。

契約の解除や売買代金の減額請求、さらには精神的苦痛に対する損害賠償請求に発展するケースも少なくありません。

過去の判例では、売主が事件を知りながら告知しなかった場合、多額の賠償金支払いが命じられています。

法的な紛争を避けるためには、物件状況報告書(告知書)に事実を詳細かつ正確に記載することが不可欠です。

殺人事件が発生した物件の価格

殺人事件が発生した物件は、不動産取引において心理的瑕疵が存するものと定義され、市場価格から著しく乖離した価格形成を余儀なくされます。

減価の本質は、買主が抱く忌避感という主観的な抵抗が、経済的な交換価値の低下として具現化する点にあります。

事件性の高い事案は自死と比較し、社会的インパクトが強く、減価率は周辺相場の30%〜50%程度に達するのが通例となっています。

特に広域報道された凄惨な事件や、未解決事案を抱える物件においては、通常の市場流通ルートでは成約に至らず、極端な指値(値引き交渉)や専門業者による買い叩きが常態化しています。

また、この心理的瑕疵は建物のみならず、土地そのものの履歴として定着してしまいます。

建物を壊して更地にしたところで浄化効果は限定的であり、将来にわたる告知義務の継続を考慮すれば、実勢価格との乖離は不可避と言えます。

事件の内容によっては50%超の減価、あるいは市場からの完全な排斥を招くケースもあり得るでしょう。

事件が発生した物件を売却するための対応

事件が発生した物件を市場に出す際は、どのような対応が必要になるでしょうか。

物理的な痕跡の除去はもちろん、買主の心理的抵抗を軽減し、将来的なトラブルを防止するための準備が不可欠です。

特殊清掃・遺品整理

事件現場となった物件では、通常の清掃では対応できない汚染や臭気が残る場合があります。

専門の特殊清掃業者に依頼し、除菌・脱臭を行い、血液などの痕跡を完全に除去しなければなりません。

また、遺品整理も並行して行い、室内に事件を想起させる物品を残さないようにします。

物件を売却するためには、清掃・整理が完了していることが最低限の条件となります。

建物解体の検討

建物内での事件による心理的抵抗が極めて強い場合、建物を取り壊して更地(さらち)として売却することが有効な手段となります。

物理的な構造物をなくすことで事件の記憶や印象を和らげる効果が期待できます。

ただし、更地にしても土地としての「告知義務」は残ります。

新築用地として検討する買主にとっては、建物が残っている状態よりも検討のハードルが下がる傾向にあります。

事実の開示

売却後のトラブルを最小限に抑えるため、重要事項説明においては、客観的な事実(日時・場所・状況)を、主観を交えず過不足なく開示します。

また、価格低減の根拠が心理的瑕疵にある旨を契約書に明記し、買主の容認事項として記録します。

ただし、特約による責任免除を過信せず、買主が納得して購入を決断したプロセスを証跡(書面)として残すことが、実務上、最も有効な防衛策となります。

殺人があった物件は事故物件・訳あり物件専門業者へ売却がおすすめ

事件が発生した物件を売却する場合、仲介市場を通じて一般の買主を探すことは極めて困難であり、現実的な選択肢とは言えません。

凄惨な記憶が残る物件の法的な紛争リスクを回避し、売主様の精神的な負担を最小限に抑えるためには、事故物件や訳あり物件の取り扱いに長けた不動産会社への買取依頼が最良の選択肢となります。

一般の買主を対象とする仲介売却では、広告活動による情報の拡散や、引き渡し後の予期せぬトラブルのリスクが常につきまといますが、専門業者への売却であれば、そうした懸念を根本から解消できます。

売主の「契約不適合責任」が免除される

個人を対象とした売却では、物件の引き渡し後に「心理的瑕疵」の告知範囲や程度を巡って責任を問われ、損害賠償請求や契約解除に発展するリスクが長期にわたって残ります。

しかし、プロである専門業者が買い取る場合、物件の瑕疵をすべて承知したうえで取引を行うため、売主様の責任を一切免除する「契約不適合責任免責」の特約を付して契約を締結することが一般的です。

売却後に法的責任を追及されるという不安を解消し、安心して再出発を図るための土台を築くことができます。

プライバシーを徹底的に守れる

重大な事件があった物件ほど、近隣の注目やインターネット上での風評被害が激しくなる傾向にあります。

一般的な仲介売却ではポータルサイトへの掲載が不可欠ですが、専門業者による直接買取であれば、広告活動を一切行わずに取引を完結させることが可能です。

近隣住民に売却の事実や物件内部の状況を知られることなく、所有者様のプライバシーを厳重に保護しながら、静かに、かつ確実に手続きを進められる点は、専門業者ならではの大きなメリットと言えます。

現状のまま、追加費用なしで即座に現金化

事件現場となった物件は、特殊清掃や遺品整理、時には大規模なリフォームが必要となりますが、特殊清掃や遺品整理を売主様個人が手配することは金銭的にも精神的にも多大な負荷となります。

専門業者の場合は、清掃が未了の状態や家財道具が残ったままの状態であっても、現状有姿で買い取ることが可能です。

売主側で事前に多額の費用を投じてリフォームや解体を行う必要がなく、早期の決済によって即座に現金化できるため、経済的な合理性とスピード感を両立させた解決が実現します。

まとめ

本記事では、殺人事件が発生してしまった物件を売却する際に直面する注意点について解説してきました。

凄惨な事案であればあるほど、一般市場での売却は長期化しやすく、時間を費やすほど資産価値の下落を招きます。

加えて、売主様ご自身の精神的な疲弊を深める結果にもなりかねません。

事件発生物件の売却においては、最初から事故物件の取り扱いに長けた専門業者をパートナーに選択することが経済的にも精神的にも再生を果たすための最も確実で迅速なルートとなります。

訳あり物件買取専門のINTERIQでは、心理的瑕疵のある物件についても、長年培った独自のノウハウに基づき、個別の事情を丁寧に汲み取り、適正な価格で買い取りを行っております。

一般的な仲介取引では成約が困難な物件であっても、建物の状態を問わず「現状のまま」でお引き受けいたし、売主様にとって最大の不安要素である売却後の契約不適合責任を免除する形での取引をお約束いたします。

事故物件の処分でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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