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擁壁のある土地はなぜ売れにくい?問題点と後悔しないための売却・解決策

擁壁のある土地はなぜ売れにくい?問題点と後悔しないための売却・解決策

不動産売却において、「擁壁(ようへき)」の存在は、土地の資産価値を決定づける要素です。

一般的に擁壁のある土地は売れにくいと言われています。

なぜ、擁壁のある土地はこれほどまでに敬遠され、売却難易度が高いとされるのでしょうか?

この記事では、擁壁物件が抱える構造的・法的なリスクを整理し、決して後悔しないための売却戦略と具体的な解決策を徹底解説します。

この記事でわかること
  • 擁壁の基礎知識と所有者が負う責任
  • 擁壁物件が抱える「構造的・法的な3大リスク」
  • 高値売却を目指す対策
目次

擁壁のある土地とは?

擁壁のある土地とは、高低差のある傾斜地において斜面が崩れないように壁を築き、その内側を土で埋めることで家を建てるための平坦な敷地(宅地)を人工的に造り出した土地のことです。

平野が少ない日本では、丘陵地を切り開いた分譲地などで多く見られ、擁壁は宅地を形成するために不可欠な土台となっています。

擁壁は、コンクリートブロックまたは自然石で作られます。

不動産取引において重要な点は、擁壁が建物の安全性を担保する構造物であるという点です。

擁壁は常に数トン〜数百トンにも及ぶ土の圧力(土圧)を支え続けています。

擁壁のある土地においては、擁壁が健全であって初めて、地盤が安定し、建物が傾かずに建っていられると言え、「擁壁=土地の心臓部」と言っても過言ではありません。

擁壁のある土地のイメージ

擁壁は原則としてその土地の所有者が所有し、管理すべきものです。

経年劣化でひび割れが生じたり、崩落の危険が出たりした場合、補修や再構築の費用は、その土地の所有者が負うことになります。

擁壁のある土地が売却において不利とされる理由

なぜ擁壁がある土地が売却に不利なのでしょうか。

それは、買い手や金融機関が懸念する「金銭的リスク」と「法的な建築制限」が潜んでいるからです。

既存不適格による再建築時のコスト増大

擁壁のある土地が敬遠される最大の要因は、現在の建築基準法を満たしていない「既存不適格」の状態にある擁壁が多いことです。

造成から数十年が経過した擁壁は、現行の法律に適合していないケースが大半です。

このような土地で家を建て替えようとすると行政から建築許可の条件として「擁壁の作り直し」を求められることがあります。

擁壁の再構築には数百万円から、場合によっては一千万円を超える費用がかかります。

買い手にとって土地の購入価格とは別に負債を抱えた物件と映るため、大幅な値引きなしには売れにくくなります。

検査済証がないと住宅ローンが組めない

不動産取引において重要となるのが、資金調達の問題です。

多くの買い手は住宅ローンを利用しますが、金融機関は融資の審査において物件の遵法性をチェックします。

住宅ローンを貸す銀行は、その土地と建物を担保(借金のカタ)に取ります。

もし、その土地の安全を支える擁壁が無許可で作られた違法なものや安全性が不明なものだった場合、どうなるでしょうか?

将来、擁壁が崩れるかもしれない、役所から作り直してくださいと命令が出るかもしれないとなるかもしれません。

銀行はこのようなリスクを極端に嫌います。

そのため、融資の審査対象となる土地に一定規模以上の擁壁がある場合、「この擁壁は法律を守って安全に作られたものですか?証明書(検査済証)を出してください」と求めてくるのが一般的です。

もし検査済証がなく安全性が証明できない場合、銀行は担保価値がないと判断し、融資を承認しません。

こうなると「ローンが通らない=現金で購入できる人しか買えない」ということになり、販売ターゲットが極端に狭まってしまいます。

がけ条例による建築制限(セットバック)

擁壁の安全性が証明できない(検査済証がない)場合、行政はその擁壁を「いつ崩れるか分からない危険な崖(がけ)」と同じだとみなします。

そのため、各自治体が定める「がけ条例」という厳しいルールが適用されます。

これは、万が一の崩落に備えて、擁壁から一定の距離を離れた安全な場所にしか家を建ててはいけないという制限です。

一般的には、擁壁の高さの約2倍の距離を離れるようセットバックする必要があります。

例えば、高さ3メートルの擁壁がある場合、その近くの約6メートルもの範囲が建築禁止エリアになってしまうのです。

図面で見ると広い土地であっても、実際に家を建てられる有効面積が激減してしまうため、希望する広さの家が建てられず、資産価値が著しく低いと判断されてしまいます。

擁壁のある土地の売却方法

補強工事を行い資産価値を高める

擁壁に劣化が見られる場合、売主様が費用を負担して補強工事や造り替えを行い、安全な状態にしてから売り出す方法があります。

現行法に適合した擁壁として検査済証を取得できれば、買い手は安心して住宅ローンを利用できるため、相場価格以上での売却も期待できます。

ただ、擁壁の再構築には数百万円以上の費用がかかります。

かけた工事費分だけ高く売れるかをシミュレーションしておかないと手元に残るお金が減ってしまうリスクがあるため慎重な判断が必要です。

専門調査で安全性を可視化する

擁壁の見た目が比較的きれいであれば、建築士などの専門家による「インスペクション(状況調査)」を受けることが有効です。

プロの診断結果に基づいた報告書を提示することで買い手や金融機関の懸念を払拭できます。

現行の基準に適合していなくても当面の安全性に問題はないというお墨付きがあれば、検討の土台に乗る可能性が高まります。

専門業者に買い取ってもらう

なかなか買い手が見つからない場合や、補強費用が捻出できない場合は、専門業者に買い取ってもらうのが最も確実な方法です。

専門業者は擁壁のリスクを精査した上で「現状のまま」買い取るため、売主様が補強工事を行う必要はありません。

また、この方法の最大のメリットは、売主様が将来にわたって責任を問われる「契約不適合責任」を免除(免責)できる点です。

「いつ売れるか分からない状態を避けたい」「後々のトラブルが怖い」という場合は、不動産会社による直接買取が最適解と言えるでしょう。

まとめ

擁壁のある土地の売却は、法規制や住宅ローンの仕組みが複雑に絡み合うため、一般的な土地取引よりも専門的な判断が求められます。

放置して劣化が進めば、資産価値が下がるだけでなく、周辺への安全責任という新たなリスクも生じかねません。

まずはご自身の土地の擁壁がどのような状態にあるのかを正しく把握しましょう。

当社では、既存不適格の擁壁や崖条例の制限がある物件、大手仲介会社に売却を断られた物件の買取を行っております。

補強工事が必要なケースから、そのままの引き渡しを希望されるケースまで、お客様の状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

擁壁のリスクや法的な調査はすべて当社が引き受けますので、お客様に多額の負担を強いたり、売却後に責任を問うたりすることはありません。

ぜひ一度、当社の無料査定をご活用ください。

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